therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

クレッチマーの形成と思考

エルンスト・クレッチマー(Ernst Kretschmer, 1888- 1964) (Wikipediaより) クレッチマーの形成と思考 クレッチマーは、1888年ドイツ、ハイルプロンのヴェステンロットで、牧師の子として生まれた。1906年からチュービングン大学およびミュンヘン大学で…

ホーナイの理論と3つのタイプ

ホーナイの理論 「真の自己」の存在 人間は、機会を与えられれば自分に内在するさまざまな可能性を発展させ、人は自分の価値感とか生きる目的を発見する。 あらゆる人間に共通にあり、独自なもので、成長の深い源泉である内的な中心になる力が「真の自己」で…

カレン・ホーナイの生涯

カレン・ホーナイ(Karen Horney, 1885 - 1952) (Wikipediaより) 生涯 ホーナイは1885年ドイツのハンブルグに生まれた。父はノルウェー出身で、後にドイツ国籍を取得し、ハンザ汽船の船長であった。父が宗教的で厳格な人であったのに対して、彼女の母は、…

ヤスパースの了解心理学

ヤスパースの了解心理学 精神病理学において「了解」なる概念は、「説明」が自然科学的客観的因果連関の認識を意味するのに対し、一般的に主観的な意識内の事象を知ることに関して用いられる。 その方法には2つが区別され、ひとつはさきの現象学的方法で用…

ヤスパースの現象学

ヤスパースの現象学 ヤスパースの現象学が、ビンスワンガーら人間学派諸家のいう現象学とは内容的に大きなへだたりがある。 彼の現象学は意識内容に生起するものをありのままに記述し秩序づけるという立場であって、本質直観によって「事象そのものへ」至ろ…

ヤスパースの精神病理学総論

『精神病理学総論』の構成と意義 「4年しか精神科の経験のない30歳そこそこの無給助手が一挙に精神医学の知識の全体を包括的にとらえた」著書『精神病理学総論』は1913年(全338頁)上梓され、その後1920年に第2版(全416頁)、1923年に第3版(全458頁)…

ヤスパースの精神医学の経歴

カール・ヤスパース(Karl Theodor Jaspers, 1883 - 1969) (EcuRedより) 精神医学と取り組んでゆこうとするものにとって、ヤスパースの『精神病理学総論』は、まず目を通さなくてはならない書物の一つに数えられるが、精神医学の領域におけるこのように卓…