therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

脳卒中後の遅発性うつ病

脳卒中後の遅発性うつ病 脳卒中後の遅発性うつ病 Robinsonらの142例の脳卒中患者による検討において 脳卒中後の急性発症(急性期の入院中の発症)の大うつ病に比べて、遅発発症(入院後3ヶ月から2年までの間に発症)の大うつ病は、発症年齢が高い傾向があり…

脳卒中後うつ病の自然経過

脳卒中後うつ病の自然経過 入院中にDSM-IV診断で大うつ病(27例)、小うつ病(36例)、非うつ病(79例)の3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月の追跡による診断結果 脳卒中後大うつ病の持続期間は、大多数の患者さんにおいて12カ月以上持続することはありません。…

脳卒中後うつ病の症候学的特徴

脳卒中後うつ病の症候学的議論 脳卒中後大うつ病(n=43)と年齢を一致させた機能性うつ病(n=43)の臨床症状の比較 LipseyらのRobinsonグループは、脳卒中後大うつ病は、機能性大うつ病と比較して、「緩慢さ」が有意に高く、「興味と集中力の低下」は有意に…

脳卒中後うつ病の有病率

脳卒中後うつ病の有病率 脳卒中後の大うつ病と小うつ病の新規症例において、大うつ病は平均約1年続き(少数例は3年以上続く)、小うつ病は数ヶ月から2年以上続き、あるいは大うつ病に発展して悪化することがあります。 Robinsonらは脳卒中後うつ病が発症する…

脳卒中後うつ病の診断

脳卒中後うつ病の診断 「ロバート・G・ロビンソン著:脳卒中における臨床精神医学-脳血管障害後の認知・行動・情動の障害-第2版(木村真人監訳)」からのエッセンスをまとめていきたいと思います。 DSM診断における大うつ病と小うつ病の診断基準 脳卒中後…

成人期ADHDの理解と対応

成人期ADHDの理解と対応 ADHDは小児期から成人期まで同一の神経生物学的基盤を持つと考えられます。ドパミン神経系やノルアドレナリン神経系の調節を受ける前頭前野、報酬系、小脳等の脳部位の関与が指摘されています。 周囲の理解と援助 家族や職場の人達、…

成人期ADHDの症状と診断

成人期ADHDの症状と診断 成人期ADHDの診断 児童期から成人期まで症状が持続し、社会適応を妨げる要因となりうる疾患です。児童期から現在に至るまでの生育歴を詳細に聴取して、就学や就労を含めたライフステージに応じて発生した心理社会的問題を吟味して、A…