therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

フロイトの神経症の分類と命名

フロイトの神経症の分類と命名 フロイトは神経症の第一群として感情転移神経症を立て、これは、不安ヒステリーと転換ヒステリーと強迫神経症の3型を含む概念だとする。そして彼は「ここで私が抑圧や症状形成や症状解釈に関して言っていることは、すべてこの…

精神分析に対する批判

精神分析に対する批判 フロイトの不屈な闘魂と確信と、それに従来の通念から全く離れた大胆な理論とは、すべての専門家を、彼に賛成か反対か、味方か敵かに、はっきりと区別してしまった。また永らく彼と行を共にしたにもかかわらず、意見の食いちがいが元で…

フロイトと内因性精神病

フロイトと内因性精神病 フロイトは、精神医学の中心課題でありながら、今なお本態不明のままである内因性精神病の症状にまで、そのリビドー学説による解明を試みた。 彼は、メランコリー患者の苦悩または自殺念慮とは、失われた、または背かれた性対象に対…

催眠感受性尺度の登場

催眠感受性尺度の登場 André Muller Weitzenhoffer (1921-2004) Ernest Hilgard(1904-2001) 1959年ワイツェンホッファーとヒルガードによるスタンフォード催眠感受性尺度が作成され、その他に同様の尺度がいくつか作成され、これは必須の技法として推奨さ…

現代催眠の夜明け

実証的催眠研究の始まり クラーク・ハル(Clark Leonard Hull, 1884 – 1952) 実験心理学の権威であったハルが、1933年催眠現象の統制研究をまとめた「催眠と暗示」という実験科学的研究の著書を出版した。当初は批判もあったが、米国心理学会会長を務めた彼…

フロイトの神経症論

フロイトの神経症論 フロイト(左)とジャネ(右) ジグムント・フロイトは、ジャネと共に神経症学を飛躍的に発展させたのみならず、深層心理学全般に未曽有の新生面を開拓して、その師たるシャルコーをはるかにしのぐ盛名を得た人である。 フロイトは最初、…

ジャネとフロイトの相違

ジャネとフロイトの相違 ジャネの理論に対しては精神分析の側からの反論が起こった。精神分析派はジャネのいわゆる心理的緊張性の思想を認めることができず、またジャネが心理的緊張性の減弱と呼んだ障害を、精神分析の側は自我の減弱によるものと主張したか…