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催眠

臨床催眠の適応疾患:疼痛管理

臨床催眠の適応疾患:疼痛管理 催眠は疼痛を緩和させる手段として古くから応用され、英国の外科医Esdaile(1846)が大英帝国下のインドにおいて催眠のみの麻酔を用いて多くの外科手術を手がけ、大成功を収めたことは古くから知られている。当時の手術後致死…

臨床催眠の適応疾患:身体疾患

臨床催眠の適応疾患:身体疾患 がん がんの催眠療法は1970年代から見られ、がんによる疼痛不安、うつなど二次的な症状に対するものが多い。 NIHの基金を得てスタンフォード大学で行われた86名のがん患者についての10年間の追跡調査では、自己催眠と、サポー…

臨床催眠の適応疾患:心身症

臨床催眠の適応疾患:心身症 催眠療法による不安の軽減および抗ストレス効果から心身症に対する効果が期待される。 喘息 喘息はアレルギーと情緒的葛藤がともに発作の誘因として働くので、心身症と考えられている。 これまで最も有効であるとされる治療法は…

臨床催眠の適応疾患:うつ病性障害

臨床催眠の適応疾患:うつ病性障害 これまで、うつ病に催眠療法は禁忌とされ、その理由としては、以下のようなことが挙げられていた。 クライエントの情緒不安定性がトランスにより予期せぬ反応が起こる危険性 感情転移が強くなり、強い感情が出現する 重症…

臨床催眠の適応疾患:不安障害

臨床催眠の適応疾患:不安障害 1)不安障害(パニック障害、恐怖症、強迫性障害、全般性不安障害) 不安障害に対する最も有効な心理療法は、認知行動療法である。暴露法や暴露反応妨害法など、何らかの方法で恐怖場面に直面することがその治療原則である。 …

催眠認知行動療法

催眠認知行動療法 認知行動療法に催眠を付加する理論的根拠 催眠感受性の亢進 イメージの鮮明化 一時過程思考の増加 幼児期の記憶への容易なアクセス 論理的矛盾や曖昧さに対するトランスロジックと呼ばれる許容性の誘発 認知行動療法ではイメージが積極的に…

自我状態療法

自我状態療法 一人の人格の中に「自己内家族」を形成するいろいろな自我状態があり、その間に生ずる葛藤を解決するために個人、家族および集団療法などを利用して解決を図る方法であり、その際、指示的、行動的、精神分析的技法などさまざまな技法を駆使する…

催眠精神分析療法

催眠精神分析療法 催眠精神分析療法は、比較的短期で終結する力動的な技法が奏効しなかったときに適用される。催眠はその治療初期ないし終盤の部分で適用され、治療期間が一般的な精神分析の3分の1くらいに短縮化される。 精神分析および催眠精神分析療法は…

催眠投影技法

催眠投影技法 投影とは自己に内在する葛藤や受容できない感情などを他人に反映させる心理機制であり、フロイトは、これを不安を抑制する防衛反応の一つとみなした。「私は彼に悪意を抱いていない。彼が私のことを不愉快に感じているだけだ」といったような発…

方略的指示療法

方略的指示療法(Strategic Psychotherapy) エリクソンによる催眠の斬新なパラダイムと技法およびそれに由来する心理療法の総称 クライエントの問題点を容認しながら、これに肯定的な変化を与えるという非指示的・指示的アプローチをともに備えた心理療法の…

催眠情動調整法

催眠情動調整法 情動調整は単に情動だけでなく、思考、感情、行動、生理の安定化などを含み、個人に内在するさまざまな要素のフィードバックによってその実現を図る。 個人に潜む治癒能力を積極的に活発化させ心身の安定と適応を推進させ、症状の緩和、不適…

後催眠暗示

後催眠暗示 催眠中に与えられた暗示が催眠後に行動、態度、感情として現実化される反応である。真の後催眠暗示は自動的に起こり、被験者はその原因も動機も意識しない解離性の行動であり、意識活動の流れは一時中断している。 この不全型として、暗示に対す…

時間再構成法-②年齢進行

時間再構成法-②年齢進行 未来において成功した自己のイメージを描かせる方法である。エリクソンによれば深い催眠状態でイメージさせるため、その体験が意識的空想に比べ、より強く現実味を帯びており、望むべき未来の目標が本当に成就されたものとして感じ…

時間再構成法-①年齢退行

時間再構成法-①年齢退行 1800年代から報告があるが、この技法が多く用いられるようになったのは、第一次および第二次世界大戦における心的外傷(戦争神経症、いわゆるPTSD)に対してである。 部分退行はクライエントが二重の意識状態にあり、退行時の情緒と…

催眠現象利用法

催眠現象利用法 腕挙上 催眠誘導で最も多く引き起こされる手と腕の挙上運動で、理想的には努力をせずに自動的に挙上しカタレプシーに移行してとどまる。 治療のユニークさをクライアントに感じさせ、それに続く催眠誘導の促進剤になる。 治療適用 うつ状態に…

症状除去法と自我強化法

症状除去法(symptom removal) 19世紀に唯一の心理療法として頻繁に実施されてきた技法である。目標とする症状が身体因であり、それに情緒反応が伴う場合に最も効果的である。症状を置き換え、元の症状を除去した後、置き換え症状も除去するといった方法が…

催眠誘導の原則

催眠誘導の原則 催眠をかける方法には弛緩という側面があり、閉眼、リラックス、緊張感のほぐれといった現象を伴うが、「催眠=弛緩」ではなく、覚醒状態催眠やリラックスさせることが困難であったり、極度に不安が強い場合にも催眠誘導は可能である。 また…

催眠感受性尺度の意義

催眠感受性尺度の意義 催眠感受性は他の人格特徴と同じように、個人差のあることが実験的に確認されており、感受性の測定手段を確立させることは一般の心理テストと同様に価値がある。 臨床活動における催眠感受性測定の是非については、感受性の役割を不可…

催眠感受性

催眠感受性 臨床催眠にとって重要な催眠感受性(hypnotizability)は、催眠被暗示性、催眠感応性とも呼ばれ、催眠暗示に対する反応能力(suggestibility)と定義される。 ヒルガードの研究によると、低感受性(10~15%)、中感受性(75~85%)、高感受性(…

サービンの役割理論

サービンの役割理論 サービン(Theodore Roy Sarbin, 1911–2005) サービンは社会心理学の立場から変性意識説の非妥当性を最初に表明した。彼はミードが提唱された役割理論(the role theory)によって催眠を分析し、弟子のウィリアム・コウとともに、催眠現…

アーヴィン・カーシュの反応期待説

アーヴィン・カーシュの反応期待説 アーヴィン・カーシュ(Irving Kirsch, 1943 -) カーシュによると、我々の行動は、これから一体どのような反応が起こるのかという期待感によって決定される。この最も極端な例がプラセボ効果であり、薬物成分が全くないの…

スパノスの方策的役割履行と課題志向空想

スパノスの方策的役割履行と課題志向空想 Nicholas Peter Spanos (1942-1994) バーバーの課題動機説は、弟子のスパノスによって、さらに進展する。 スパノスは、催眠反応とは与えられた指示に対する単なる同調や服従、または指示された課題に対する単純な動…

催眠の社会認知理論:バーバーの課題動機説

社会認知理論 変性意識を催眠の特徴とみなす状態論に対して非状態論は、催眠を特別な変性意識ではなく、被験者のおかれた状況要因と心理状態によって生じた行動ととらえる。 催眠の理論のなかで、非状態論の主流とされる社会認知理論は単一理論ではなく、複…

心理退行理論

心理退行理論 フロイトは催眠を放棄したものの彼の弟子の中には催眠精神分析(hypnoanalysis)の発展に尽くした人達もいる。それは催眠理論の中では心理退行理論(psychological regression theory)と呼ばれている。 Merton Gill(1914-1994) Margaret Bre…

ヒルガードの新解離理論

ヒルガードの新解離理論 アーネスト・ヒルガード(Ernest Hilgard, 1904 – 2001) 催眠による非意図的反応として、暗示によって腕が「勝手に」浮揚したり、眼瞼が「自然と」閉じたりするが、ヒルガードは心的解離によって生じると主張し、新解離理論を提唱し…

エリクソン催眠の方略的アプローチ

ミルトン・H・エリクソンの方略的アプローチ ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson, 1901- 1980) エリクソンは1930年頃から斬新なパラダイムと技法を催眠に取り入れ、現代催眠を心理療法のメインストリームに合流させた。 彼は、催眠者にも被催眠者に…

催眠感受性尺度の登場

催眠感受性尺度の登場 André Muller Weitzenhoffer (1921-2004) Ernest Hilgard(1904-2001) 1959年ワイツェンホッファーとヒルガードによるスタンフォード催眠感受性尺度が作成され、その他に同様の尺度がいくつか作成され、これは必須の技法として推奨さ…

現代催眠の夜明け

実証的催眠研究の始まり クラーク・ハル(Clark Leonard Hull, 1884 – 1952) 実験心理学の権威であったハルが、1933年催眠現象の統制研究をまとめた「催眠と暗示」という実験科学的研究の著書を出版した。当初は批判もあったが、米国心理学会会長を務めた彼…

ババンスキーの説得可治症

ババンスキーの説得可治症 ジョゼフ・ジュール・フランソワ・フェリックス・ババンスキー(Joseph Jules François Félix Babinski, 1857 – 1932) ババンスキーは長くシャルコーの下にあったから、その業績には神経病学的のものが多く、この方面で彼は不朽の…

ヒプノティズムの誕生②

ヒプノティズムの誕生② ジェイムス・エスディール(James Esdaile、1808 - 1859) ジェイムス・エスディールは、インドのHooglyに駐留したスコットランド人医師で、1840年代、催眠麻酔によって2,000例に及ぶ手術を行いました。そのうち300例は四肢切断、フィ…