therapilasisのブログ

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うつ病に対する従来診断の進め方

従来のうつ病診断はどのように行われてきたのでしょうか?

  1. 外因性(身体因性)のチェック

    ・まずは、うつ状態を呈するような身体の病気や、服用している薬物の影響をチェックします。
    ・身体の病気がみつかれば、その治療を行うことが必要ですが、うつ状態が強い場合には、一般的には同時進行的にうつ状態の治療を行います。
    ・薬物の影響が考えられる場合には、その薬物の変更や中止を考慮しますが、それが困難な場合も含めて、やはりうつ状態が強い場合には、うつ状態の治療が必要になります。
    中高年の人は、若い人より生活習慣病を含めた身体疾患にかかっていることも多いため、とくに注意が必要です。
    ・女性の場合は、月経との関連鉄欠乏性の貧血でもうつ状態になることもあります。

    ところで、どのような身体の病気が、うつ状態を起こしやすいのでしょうか?

    どんな病気でも、うつ状態になることはありますが、以下のような病気、とくに慢性疾患うつ状態が起こりやすいことが知られています。

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    うつ状態の原因になりやすい薬剤には、どんな薬剤があるでしょうか?

    やはり、どんな薬剤でも起こり得ますが、以下のような薬剤を服用している場合に、うつ状態が引き起こされることが知られています。f:id:therapilasis:20180324065423p:plain

  2. 内因性の特徴があるか?

    ・生まれ育った環境、家族関係、友達関係、学校生活の状況、成績、職場での立場や人間関係など、その人がどんな人物なのかを細かく聞いていきます。
    ・その中で、前述した内因性うつ病病前性格のひとつである、例えばメランコリー親和型性格のような特徴があるのかどうか、また不調になったときの状況も詳しく聞いていきます。
    ・表情や口調、態度などにも目を向けながら、症状的には前述した感情、意欲、思考についての症状を確認するわけですが、とくに日内変動(朝方の不調)、早朝覚醒、自責感などが重要です。
    ・生きていくのがつらくなるような希死念慮の存在、以前にも同様なことがあったかなかったのか、ハイテンションになった時期があるかないか(双極性障害との鑑別)なども確認します。

  3. 心因性の特徴

    内因性の特徴が明確でなく、性格(神経症うつ病)や環境要因(反応性うつ病)が強く、明らかな心理的ストレスが認められることが必要です。
    ・症状的には、抑制症状が軽く、苦しさを誇張したり、自責的ではなく他責的であったり、早朝覚醒より入眠困難、日内変動は不明確といったことが、内因性との違いとして重要になります。

    もちろん、明確に区分することは難しい場合もあるわけですが、うつ状態の患者さんの診断では生物学的な要因(内因性の特徴)、性格的要因、環境要因などを総合的に検討して、全人的に判断するのが、伝統的な従来診断です。
     

キールホルツのうつ病分類(参考)

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 .キールホルツは広義のうつ病心因性と身体因性の割合によって、上図のように分類している。

 

うつ病だと思ったら??


鉄欠乏性貧血とうつ病

月経のある女性の2人に1人が潜在性鉄欠乏と言われています。
鉄欠乏があると、易疲労感、集中力低下、無関心、焦燥感など、うつ病と似たような症状が出現する場合があります。

産後うつ病は有名ですが、妊娠による胎児の栄養吸収や出産時の出血などによる鉄欠乏もその一因であると言われています。

また、鉄欠乏では、ムズムズ脚症候群(restless legs syndrome)が、良く起こりますが、ドパミンを増やす薬で改善することから、鉄欠乏はドパミン減少とも関連しています。したがってドパミンを含むモノアミンの欠乏によるうつ病と関連しています。

もちろん鉄欠乏でうつ病にならない人も当然いるわけですが、うつ病の症状を認めて鉄欠乏があった場合には、鉄剤の補充療法などで改善ことがあります。

男性更年期障害(LOH症候群:Late Onset Hypogonadism syndrome)とうつ病

男性更年期障害は、男性ホルモンが低下して、やはりうつ病と同様な症状を呈することがあります。遊離テステロンを測定することで判明しますが、40歳以降から出現することがあり注意が必要です。その場合抗うつ薬では、なかなか改善せず、ホルモンの補充療法が奏効する場合があります。