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うつ病の後遺症と就労者の社会復帰

こころの病気による労災補償件数の推移(厚労省資料)

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  • こころの病気による労災補償件数は年々増加しており、最近でも過労自殺の問題が大きくクローズアップされました。
  • ただ医療の現場も含めて、一律に時間だけを規制することが良いのか疑問が残ります。個々の状況は多様なので、過労によるこころと身体の変調を見逃さない、きめ細やかな対応ができる体制作りも必要だと思います。

 

就労者がうつ病になって休職したとき、一般的にどのような経過をたどるのでしょうか?

 

就労者の治療経過と社会復帰

  • 担当医にうつ病のため、休職するよう指示され、診断書を提出して休職になったとします。
  • はじめは、自分が休んだことで、周りの人に迷惑をかけるのではないか、自分のしていた仕事がどうなってしまうのか、など仕事のことが頭から離れず、なかなか休養が取れないことが少なくありません。
  • また休養しても、しばらくはむしろ悪化したのではないかと思うくらい脱力・疲労感が強くなることがあります。
  • うつ病になったら、急がば回れで、交通事故にでも遭ったつもりで、仕事のことはなるべく考えずに、病気の治療を最優先にしなければなりません。
  • 家族の目が気になって休めないときには、入院も一つの選択肢です。
  • 休養できるようになって2~4週間で全体的に症状は改善されてきますが、少し動けるようになったら、朝方は太陽の光を浴びて、散歩や体操、ストレッチなど軽い運動をしても良いと思います。
  • 1~3ヶ月の治療で改善することが多いわけですが、性格や環境の要因が大きい場合にはさらに時間がかかることがあります。
  • 病前の環境を気楽な気持ちでイメージできるようになれば社会復帰の時期です。
  • リワークプログラムに参加して、生活リズムを整えてからの復職だと、失敗が少なくスムーズな復職につながります。

うつ病の後遺症

  • うつ病恐怖症・・誰でも経験するような通常の疲労感、ちょっとした気分の落ち込みに対しても、うつ病の再発ではないかと過敏に反応してしまい、不安感が強くなったり、落ち込みやすくなります。
  • 周囲への敏感さと自信欠如・・・うつ病で休んだことを他人がどう思っているか気になり、人目を気にするようになったり、うつ状態のときの失敗や、うまくいかなかったことが記憶に残っているため、また失敗するのではないかという不安から、どうしても自信に欠けるところが出てきてしまいます。
  • 作業効率の低下・・・うつ病でいろいろなことができなくなった経験があるので、それまでは勝手にからだが動いてやれていたことも、手順を考えておそるおそるやることになるため病前に比べて作業効率が落ちます。
  • 治療薬剤の影響・・・ほとんどの人が服薬を継続しながら仕事をするため、多少なりとも眠気が出たり、集中力が落ちたりします。

 

社会復帰をスムーズに行うために必要なこと

  • 再発予防のため、主治医の判断にもよりますが、治療(特に薬物)は継続する必要があります。
  • うつ病の症状が改善したからといって、すぐに病前と全く同じ負荷での作業をこなすことはできないので、当初はできるだけ作業の質や量の軽減と責任の軽減(周囲のサポート)をして、頑張りすぎないことが必要です。
  • 体力も落ちていますので、時間制限(試験出社・半日出勤・残業制限)や、模擬出勤→通勤訓練→試し出勤といった慣らし運転をした方がスムーズな社会復帰につながります。
  • 周囲も過剰な期待は良くないわけですが適度な励ましは有効です。
  • 焦らずに、半年から1年程度かけて、徐々に戻していきましょう。
  • 最初は「無理をしない」こと、最終的には「無理をし過ぎない」ことが重要です。
  • うつ病自体は治っていても、少なからず「後遺症」があるということは、本人も周囲も常に念頭に置かなければなりません。
  • 真面目な人ほど休めないことも多いのですが、疲れたら無理をせずに休んだり、頑張りすぎないで、自分自身に少しやさしくなることが社会復帰を成功させるポイントです。