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うつ病と適応障害、新型うつ病って?

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4月の新年度が始まり、期待に胸を膨らます人も多いわけですが、一方で新しい環境のなかで、緊張と不安も大きく、こころの変調をきたす人も少なくありません。

新しい環境という明らかなストレスで、不安感や憂うつ気分が一時的に出現して、社会生活や仕事、学業に支障が起こった場合には、適応障害という診断がつけられることがあります。4月の環境変化によって5月頃に症状が出ることが多いので、五月病とも言われます。この場合は、例えば新しい環境に慣れて、ストレスが緩和されれば、通常元の状態に戻ることができます。もちろん症状が続いたり、うつ病に移行することもあるので注意は必要です。

最近よく耳にする新型うつ病は、正式な医学用語ではないので、うつ病の認識を混乱させることにも繋がっています。例えば職場で上司に叱責され、職場に行こうと思うと、気分が憂うつになり、意欲もわかず、尻込みして職場に行けないのに、休日とかプライベートでは、元気で好きなことをして楽しめるような場合などが「新型うつ病」と呼ばれるようです。

現在の操作的診断による「うつ病」は、ほぼ1日中、ほぼ毎日の憂うつ気分や興味・喜びの消失が、2週間以上連続して続くことが必要ですので、「新型うつ病」は明らかに医学的なうつ病とは異なるわけです。このような人は、休養と薬物療法だけでは改善せず、上記のような例であれば、上司の態度が変わったり、部署変更するだけで、もとの元気な状態に戻ったりすることもあります。したがって、一概には言えませんが、新型うつ病は、うつ病というより、適応障害により近いと考えられます。

もう一つ注意しなければならないのは、「うつ病」の方が重症で、「適応障害」の方が軽症という安易な捉え方をしてしまいがちなことです。

重症度を、どう考えるかにもよりますが、例えばパワハラによるストレスで、うつ病の診断基準は満たさず、適応障害と診断された人が、そのストレスからの逃げ場がなくなり、自殺をしてしまうようなことが起こったり、症状が長引いてしまうこともあります。つまり、適応障害の方が、重篤化することも、慢性化することもあるということです。

うつ病」と「適応障害」は、その人の置かれた状況次第では誰にでも起こりうるものです。

新年度の新しい環境の中で、こころの変調には十分注意していただきたいと思います。

DSMによる適応障害の診断基準(参考)

  • はっきりと確認出来るストレス因子があり、そのストレスを受けてから3か月以内(ICD10では1か月以内)に情緒面、行動面で症状が発生する。
  • 予測を超えた苦痛の反応もしくは、社会生活、職業・学業的機能において著しい障害が起きる。
  • 不安障害や気分障害などの既存の病気が原因ではない、その症状が正常の死別反応を示すものではない。
  • ストレス因子またはその結果が終結すると、その後症状は6ヶ月以上持続しない。
  • 症状の持続が6か月未満のものを急性、6か月以上のものを持続性(慢性)という。慢性の場合は、継続的なストレスが続いている場合に適応される。