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北総メンタルクリニック 院長の情報発信

治療抵抗性うつ病と関連する因子

治療抵抗性うつ病(treatment resistant depression)の定義

  • 一般的には、作用機序の異なる2種類以上の抗うつ薬を十分量、十分期間用いたにもかかわらず、十分に改善しない大うつ病性障害
  • Thase & Rushの分類のステージⅡに相当

治療抵抗性うつ病と関連する因子(ステージⅡと関連する臨床因子 n=702)

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  • 上表の11項目が治療抵抗性うつ病に関連する因子ですが、独立して関連していた項目としては、不安障害の併存、自殺のリスク、メランコリーの特徴、最初の抗うつ薬で無反応でした。

ステージⅡの患者研究において、以下のようなことが示されています。

すなわち、治療抵抗性うつ病の約4分の1は、潜在性の双極性障害であることがわかりました!

  • 双極性障害の場合、抗うつ薬治療だけでは、改善しないことが多いので、やはり双極性障害を見逃さないことが重要になります。
  • 一方で、その他の要因で治療抵抗性になっている場合も少なくないため(4分の3は双極性障害ではない可能性)、上記の項目を含めて背景要因を十分慎重に検討する必要があります。

治療抵抗性うつ病のときに、潜在性の双極性障害を見逃さないために、有用な検査が光トポグラフィー検査です!

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日本医科大学千葉北総病院での光トポグラフィー検査紹介