躁状態のときの症状
- 感情の障害
自我感情が亢進して、自信に満ちて、気分は爽快で、意気揚々とします。
好き嫌いの感情を露骨に現したり、意に沿わないと急にイライラして不機嫌になったり(易刺激性)、怒り出したり(易怒性)します。
感情状態が抑制されず、そのまま態度や行動、言葉に出されてしまいます(抑制解除)
表情は快活で、尊大な態度や横柄になったり、上司に対してもタメ口になったりします。 -
意欲の障害
睡眠時間が短くても疲れず、仕事の能率が上がったり、創作活動も精力的に行えたりします。一方で、お節介になったり、他人に迷惑をかけたり、反社会的な行為に発展する場合もあります。
躁状態が強くなると、声が枯れるほどしゃべりすぎ(多弁)たり、動きまわる(多動)ようになって、興奮状態を示すこともあります(躁病性興奮)。
その場合、注意転動性が亢進して、気のおもむくままに、あれこれ手を出してはやめてしまったり、まとまった行動がとれなくなってしまいます(行為心拍)。
・行為心拍は、統合失調症の緊張病性興奮のような無目的で了解不能な行為(運動心迫)とは違って、一応合目的で了解可能な行為です。
脱線行為として、無用な電話や訪問、浪費、暴飲暴食、けばけばしい化粧、派手な服装、性的逸脱行為などが出現して、家族や周囲に気付かれることもあります。 -
思考の障害
いろいろな考えが次々に浮かんで、考えるスピードも速くなります。この場合、話題も豊富で、駄洒落を言ったり、話しも脱線して、最初の目標からは全くずれたところに進んでしまいますが、話の内容自体は一応の関連性を持って結びつけられいます(観念奔逸)。
自己の能力や財産、身分などにも過剰な自信をいだいて、誇大的になります。
著しくなると誇大妄想になって「事業に成功して巨万の富を得た」とか、「自分は皇室に連なる高貴な身分である」といったものに発展することがありますが、通常その場限りで、系統的な妄想は少ないと言われています。
- 躁状態の初期や軽躁のときは、自分がハイテンションであるという病識もあり、ある程度自制が可能ですが、躁状態が著しくなると、病識が欠如して、多弁多動を自制できなくなり、ついには興奮状態になってしまうことがあります。