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躁病・軽躁病エピソード・混合状態の診断基準

躁病・軽躁病エピソードの診断基準(DSM5)


 必須項目 気分高揚、開放的、易怒的、異常で持続的な活動亢進
     
(ほぼ毎日、一日の大半において出現する)

  1. 自尊心の肥大,誇大
  2. 睡眠欲求の減少
  3. 多弁
  4. 観念奔逸(考えが次々と飛ぶ)
  5. 注意散漫・易刺激性
  6. 目標志向性の活動の増加,または精神運動性の焦燥
  7. まずい結果になる可能性が高い快楽的活動への熱中
  • 上記の症状が3つ以上(易怒的のみの場合4個以上)
    • 1週間以上持続、機能障害が著しく、入院が必要、精神病性の特徴→躁病エピソード
    • 4日間以上続き、機能障害が重篤でない→軽躁病エピソード

  • 抗うつ薬やECT治療中に出現した躁病・軽躁病エピソードについて、双極Ⅰ型、Ⅱ型の診断基準に該当するエピソードとして用いることが可能になった。

  • 双極Ⅰ型障害(躁病エピソードと抑うつエピソードがある)の有病率
    一般人口の生涯有病率は3%、米国の生涯有病率は4%
    米国の12ヶ月有病率は0.6%、11か国では0.0~0.6%
    男女比は約1.1:1
  • 双極Ⅱ型障害(軽躁病エピソードと抑うつエピソードがある)の有病率
    国際的には12ヶ月有病率は0.3%、米国の12ヶ月有病率は0.8%

混合状態の診断について

  • クレペリン以降、躁状態からうつ状態、あるいはその逆に移行するときに、感情、意欲、思考が同時に変化するのではなく、時間的にずれが生じるため、躁とうつの両方の要素が混在する状態が出現するし、移行期にかかわらず、独立した病相として発現することもあると考えられていた。代表的な病態としては以下がある。

    激越性うつ病:退行期うつ病でしばしば認めるが、苦悩を誇張して訴え、落ち着きがなくじっとしていられない状態になる。
    躁病性昏迷躁状態からうつ状態に移行するときに、感情は爽快なのに、思考や行動は抑制された状態が出現することがある。

  • 混合性エピソードDSM-Ⅳ-TRまで)
    ・少なくとも1週間の間ほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準をともに満たす場合に診断
    ・この診断基準は、あまりに限定的で、実際に基準を満たす状態はほとんどないために、自殺リスクの過少評価、不適切な治療の選択、双極性障害に移行する可能性の見逃しなどの問題点が指摘されていた。
  • DSM5は、上記の指摘や多くの患者が両極の症状を有している(双極性障害の14~67%が混合状態)ことから
    混合性の特徴(mixed features)の特定用語を導入し、混合状態(mixed states)をより広く診断できるようにした。
    • 躁病エピソードへの少なくとも3個の抑うつ症状の混入
    • うつ病エピソードへの少なくとも3個の躁症状の混入

  • 混合性特徴の診断の意義
    ・自殺や問題行動の予防
    抗うつ薬単剤治療の危険性回避
    気分安定薬の適切な使用の判断
    境界性パーソナリティ障害の誤診回避