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自傷行為とその裏側

リストカットなどの自傷行為は、「こころの痛み」を和らげるための行為と言われます。ですので、自傷行為を繰り返す人はこころの痛みが深いのです。

つらさから逃れて生きるための行為でもあるのですが、繰り返すなかで自殺企図につながることもあるので、注意が必要です。

若い女性に多いわけですが、男性にも起こるし、中高年まで継続することもあります。

 

一部の人は、見捨てられ不安などから、気を引くために行うこともありますが、ほとんどの人は、こっそり一人で行っており、決して他人にアピールするためだけの行為ではありません。

自分自身が痛みを感じて、血も流れる、生きた人間であることを感じて、自分自身の存在感を再認識して、一瞬であっても、つらい感情や嫌な出来事の記憶を断ち切るための行為なのです。

 

幼いときの親の虐待や育児放棄、両親の不和、いじめや攻撃、信頼に対する裏切り、無視などの経験がある人に多くみられます。

親の愛情を十分受けた子供は、根源的な安心感が形成されますので、自分に自信が持てたり、自分の気持ちを素直に表現できるようになります。

それがないと、いつも不安で、ビクビクして、他人の顔色を伺ったり、劣等感が強くなり、自分の存在価値が見出せなくなったりします。

幼少期だけではなく、大切な人との離別や対人関係のなかでの疎外感などから自傷行為が出現することもあります。

背景に、うつ病や不安障害、摂食障害、パーソナリティ障害などこころの病気があることも少なくありません。

 

つらいことがあって誰かに相談できれば、こころの痛みは多少でも緩和されます。

誰も信じられなかったり、相談しても相手にしてもらえないのではないかと考えて、相談することができないと、結局、一人でもんもんと悩むことになります。

そのつらさから逃れるために、一時しのぎではあっても、解放感を得るために、リスカなどの自傷行為を行うわけですが、徐々に、その頻度が増して、程度も強くなってしまうことが起こります。

リスカなどは、繰り返すごとに皮膚が硬くなり、痛みを感じにくくなるため新たな場所を自傷するようになり、例えば右利きの人は、左前腕→右前腕→左上腕→右上腕→内ももなどと拡大させてしまうことがあります。

それに気付いた家族や周りの人は、自傷行為を叱責して、止めさせようとしますが、怒られてもこころの傷は解消できないので、さらにエスカレートしてしまって、悪循環になってしまうことも少なくありません。

 

いろいろなことに耐えて、表面的には元気に振る舞っている人も多いわけですが、嫌なものは嫌と言えたり、自分の気持ちを少しでも素直に出せると少し楽になることがあります。

どんな仕事でも良いので何かをして、社会と接点を持つことで、自分でも役に立つことがあるんだと、少しでも実感できると良いと思います。また、自分のことをわかってくれる友達やパートナーを作ることも必要かもしれません。

 

その人たちにとっては、見える傷をただ止めさせようとするのではなく、見えない「こころの傷」に少しでも目を向けたり、気付いてあげることが何よりも重要です。

経過の中で衝突することはあっても、傷つきやすい繊細さを理解して、そのつらさから絶対に抜け出すことができるのだと信じ続けて支えてあげることが必要になります。

もちろん、こころの病気がある場合は、その治療もきちんとする必要があります。