2018-06-09 糖尿病とうつ病 うつ病 糖尿病患者のうつ病有病率 糖尿病とうつ病の併発について調べた39の研究をメタ解析により統合した結果 糖尿病患者のうち、うつ病を併発している人は4%、うつ病を併発している疑いがある人は31.0% 糖尿病とうつ病は互いの発症・経過・転帰・予後に影響し合う (Briana M. et al. Diabetes Care 31, 2008) うつ病が先行した場合に糖尿病発症リスクは増加する RR=1.60, 95%CI:30~1.88 糖尿病が先行した場合のうつ病の発症リスクも増加する RR=1.15, 95%CI:02~1.30 血糖コントロール不良の割合とうつ病の重症度 血糖コントロール不良の割合はうつ病が重症になるにしたがって増加します。 糖尿病の合併症とうつ病の関連 27の研究をメタ解析により統合した結果 うつ病と糖尿病合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、大血管障害、性機能障害)とは有意に関連しています。 糖尿病とうつ病が併発した場合の総死亡率 1982年にうつ病自己評価尺度(CES-D)により評価された10,025例の調査 糖尿病とうつ病が併発した場合、総死亡率は増加します。 うつ病が糖尿病の増悪因子となる要因 生物学的要因 ストレスによるコルチゾールの増加 炎症性サイトカインの増加 うつ病による過食(非定型や季節性うつ病など) 行動学的要因 気力・活力の減退 疲労感の増大 食生活に乱れが生じ、生活のセルフコントロールができにくくなる 糖尿病患者のSSRI投与後の抑うつ症状と血糖値の推移 対象は3ヶ月以上糖尿病の薬物もしくはインスリン治療を受け、うつ病と診断された40例の糖尿病患者 エスシタロプラムを投与した糖尿病患者のHbA1c、食後および空腹時血糖値、抑うつ症状(HAM-D)は、baseline時と比較して低下しました。