回復期・維持期に行われること
- 症状が改善、十分な睡眠も取れるようになります。
- 生活リズム構築の妨げとなる副作用の確認。
- 服用薬の剤数、服用回数を減らす、シンプルにすることで、服薬アドヒアランスを上げることも可能です。
- デイケア、就労支援などの多種多様なプログラムから個々のゴールに応じ、適正な手段を共同意志決定(SDM)を介して決定します。
家族の関わり方と対応のポイント
(丹羽真一編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ、統合失調症. 医薬ジャーナル 2014.より)
- 社会資源・支援などをうまく利用しましょう。
- 発病初期の5~10年間は特に再発のリスクが高い傾向にあります。
- 再発予防で大切なことは、確実な薬物療法の継続です。
- 家族だからこそ気付くことができる再発のサインがあります。
- 食欲が落ち、眠れない日が続いている
- イライラや焦り、不安の訴えが多くなる
- 被害的で、疑い深くなる
- 症状や服薬について、気軽に話せる雰囲気を日頃から持つようにしましょう。
- 見守る姿勢を持つ
- 当事者の人たちは、病気のために生活能力もコミュニケーション能力も落ちてしまうことがあります。あせらず、長い目で見守ってあげましょう。
- 患者さんとほどほどの距離を保ち、お互いに息抜きをする時間を持つことも大切です。
- 過剰な介入は、本人に負担になることがあるので注意しましょう。
- 家族だけで抱え込まず、分かち合いの場に参加する
- 家族の方たちが、どこに支援を求めればよいのか、などを知ることは、実は容易ではありません。そのためには、色々な人に出会うことが大切です。
- そのなかには、専門家だけでなく、同じ経験をした家族も含まれます。多くの人に出会えば出会うだけ、情報や経験が肉付けされ、役立つものになるはずです。
- 家族だからこそ気付くことができる再発のサインがあります。
PORTガイドラインで推奨される心理社会的治療
PORT(The Schizophrenia Patient Outcomes Research Team):米国医療政府研究局(AHCPR)と国立精神保健研究所(NIMH)の補助により設立された調査チーム
(Dixon LB, et al.: Schizophr Bull 36: 48-70, 2010)
- 包括型地域生活支援 (ACT):訪問型支援
- 認知行動療法 (CBT)
- 認知矯正療法
- 家族介入・教育
- ピア・自助サポート:仲間同士で支えあう
- 生活技術訓練 (SST)
- 就労援助
- 薬物依存への統合的サポートプログラム
薬物療法と心理社会的療法の併用効果
薬物療法だけ、心理社会的療法だけでも再発を防ぐことは困難です。両者を併用してはじめて再発を防ぐことが可能になります。