therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

精神医学とは

精神医学とは

  • 異常なこころの状態(精神現象)に焦点を当てながら、幅広く人間のこころ(精神)を扱う学問です。
    • 「精神」機能は人間の機能の中で、全てを統括する高度なものともいえるので、生理機能の最上位に位置するといっても良いかもしれません。
    • 人間の構成成分を「精神」と「身体」に二分すると、その一つを担う重大な医学の分野いっても過言ではありません。
  • 正常と異常

精神面での正常と異常の区別を客観的、中立的に行うことは、実際には難しく、以下のような判断基準がありますが、異常というと差別や偏見を助長することもあり、精神医学のなかで支援が必要な状態という認識にした方が良いかもしれません。

  • 平均基準
    • 平均値からのずれ
  • 価値基準
    • 時代や地域、社会規範、文化、慣習からのずれ
  • 病気という視点
    • 病気という診断
  • 事例性があるか否か
    • 社会の中で問題とされるかどうか

 

  • 方法論

    • 自然科学的な理論的研究の方法が重要なのは当然ですが、時代や文化によって価値観などが異なるので、単純な論理的方法だけでは説明ができないところもあります。

    • 心理学や哲学、社会科学など人文科学的な方法をあわせて用いて総合的に判断することが求められ、特に臨床の場においては、両者のバランスをとることが重要です。