therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

覚醒剤やコカインの中毒と離脱

精神刺激薬中毒(Stimulant Intoxication)(DSM-5)


A.アンフェタミン型物質、コカインまたは他の精神刺激薬の最近の使用

B.臨床的に意味のある問題となる行動、または心理学的変化(例:多幸症、または感情鈍麻、社交性の変化、過覚醒、対人関係過敏、不安、緊張、易怒性、常同性の行動、判断力の低下)が、精神刺激薬を使用中、または使用後すぐに発現する.

C.以下のうち2つ以上の徴候または症状が、精神刺激薬を使用中、または使用後すぐに発現する。

  1. 頻脈または徐脈
  2. 瞳孔散大
  3. 血圧の上昇または下降
  4. 発汗または悪寒
  5. 嘔気または嘔吐
  6. 体重減少の証拠
  7. 精神運動興奮または抑制
  8. 筋無力、呼吸抑制、胸痛または不整脈
  9. 混乱、けいれん、ジスキネジア、ジストニア、または昏睡

D.その徴候または症状は、他の医学的疾患によるものでなく、他の物質の中毒を含む他の精神疾患ではうまく説明されない.

 

精神刺激薬離脱(Stimulant Withdrawal)(DSM-5) 


A.長期間にわたっていたアンフェタミン型物質、コカイン、他の精神刺激薬の使用を中止(または減量)

B.不快気分および以下の生理学的変化のうち2つ以上が、基準Aを満たしてから数時間~数日以内に発現する.

  1. 疲労
  2. 鮮明で不快な夢
  3. 不眠または睡眠過剰
  4. 食欲の亢進
  5. 精神運動制止または興奮

C.基準Bの徴候または症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている

D.その徴候または症状は、他の医学的疾患によるものでなく、他の物質の中毒や離脱を含む他の精神疾患ではうまく説明されない.

  • 離脱症候群を生じている物質の詳細を特定せよ