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フロイトの精神分析理論

フロイト精神分析理論

ジグムント・フロイト(Sigmund Freud, 1856-1939)

1922年(wikipediaより)

出生地:チェコモラヴィア地方フライベルク

 

6つの基本的観点

  1. 意識、前意識、無意識という3つの心的領域をみとめ、精神活動がどの領域で営まれているかを明らかにしよとする局所論的見地。
  2. 自我、エス超自我という精神構造を考え、各機能と相互間の力動的な関係を問題にする構造論的見地。
  3. 心的現象の背後に心理学的な力ないし無意識的な動機を仮定し、心的現象を、それらの力の協同や葛藤や統合の表われとして把握しようとする力動論的見地。
  4. 欲動の興奮量や、自我の逆備給(抑圧のエネルギー)のように、すべての心的現象が心理的エネルギーによって担われていると仮定する経済論的見地。
  5. 心的現象が、環境と密接に関連し合っているとして、快感原則と現実原則に関する命題を基礎づける適応論的見地。
  6. 心的現象が、心理的な起源とその後の発達過程をもち、過去の心的現象のパターンは、いったんは消えたように見えても後になお活動的となる可能性をもつとして、精神分析的人格発達論を生んだ発達論的見地。

 

フロイト精神分析療法

初期の催眠暗示法から前額法をへて、1896年自由連想法を発見した。

  • 自由連想法は、いっさいの暗示や強制をやめ「頭に浮んだままに自由に話させる」方法であり、無意識を意識化するフロイトの無意識世界の探求の方法論的基礎。
  • 従来の催眠暗示にみられる一方的で権威的な押しつけから、患者が自分自身の理性によって無意識を洞察することを目的とする、患者と治療者の相互主体的な営みに向う大きな転回点。
  • 初期の無意識内容の意識化から、「自我とエス」以後は、自我の防衛機制の分析へと移行。
  • 自由連想法を支える「分別ある受身的中立的態度」を治療者のとるべき態度として規定し、症状の背後にひそむ無意識的な意味や心的葛藤を重視し、治療関係の中に現われてくる抵抗(防衛)の分析や転移の操作を通して患者の自我の変化と成長を目ざす技法として確立。

 

フロイトの分析理論と分析技法の特質

  • 神経症にともなう症状が、夢や失策行為などのすべての心的現象と同じように、ある隠れた動機、つまり当人には意識されない意味と意図をもち、表面に現われない重大な心的過程を背後にもつと考える。
  • 旧来の精神科医は、言い間違いやど忘れなどの失策行為は偶然の産物であり、精神症状は一般に遺伝的な素因によって決定づけられているので、その意味を探るのは不当だと反対し、せいぜい疾病の診断と予後の判定を下すことで満足してしまう。
  • ヤスパースに代表されるように、「フロイトは了解関連と因果関連を混同して、精神生活のいっさいを了解可能としているが、それは『かの如き了解』にすぎぬ」、といって批判された。
  • これに対してフロイトは自分の考えが単なる恣意的な思いつきではなく、25年間にわたる観察と献身的な研究の結果であり、批判者はむしろ経験と観察に由来する分析学の基礎を考慮すべきだと主張し、反対者の態度は、「ふだん医師として神経症患者にあまり関心をもたず、その言葉を不注意に聞き流しているために、そこから貴重なものを汲みとる可能性を自ら失っている」と述べて、旧来の精神科医の見かけ上の科学的態度や客観主義を批判した。
  • フロイトは、精神医学と精神分析学の関係を、諸器官の外的形態を研究する解剖学と、器官の細胞学的構造を研究する組織学の関係に例え、両者は矛盾し合うものではなく、一方が他を継承する関係にあり、やがては無意識過程についての知識のないところに科学的に深められた精神医学もありえないという洞察がえられるだろうと予見した。
  • 精神分析の特質は、表面に現われた症状の背後に無意識的な心的過程を想定することによって、症状の意味を探り、了解可能性の限界を押し拡げてゆこうとするものであるが、それと並んで患者の過去の生活史を重視する視点が、もうひとつの重要な特質である。
  • 人間は過去から切り離されて存在するのではなく、現在の心的生活は過去によってつねに支配され、影響され続けているという認識は、人間を過去、現在、未来にわたる一貫性をそなえた生活史的存在として捉える、分析学の基本的な人間観を基礎づけるものにほかならない。

 

(馬場謙一:現代精神病理学のエッセンス-フロイト以後の代表的精神病理学者の人と業績-参照)