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メラニー・クラインの業績

メラニー・クラインの業績

メラニー・クライン(Melanie Klein、1882 - 1960)

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1952年(wikipediaより) 

  1. 自我心理学派
  2. 対人関係学派
  3. クライン学派
  4. 対象関係学派
  • クラインは、クライン学派の創始者であり、対象関係学派に多大な影響を与えた存在でもある。

 

  • クラインは1882年、医者の末娘として、ウィーンに生まれた。彼女自身も幼い時から医者になりたいという希望をもっていたが、はやくして婚約するなどの事情で、この望みは果せなかった。しかし、結婚して3人の子供を産んでから後に、S・フロイトの著書にふれたのを契機として、精神分析を本格的に学ぶようになる。
  • フェレンチーに分析を受けて、1919年にはプタベスト精神分析学会の会員の資格を得る。つづいて、ベルリンに移りアプラハムからも教育分析を受ける。彼女は離婚後、1925年にはジョーンズに招かれてロンドンに行き、イギリス精神分析学会のメンパーとして、1960年に亡くなるまで活躍した。

 

  • クラインの業績は、3期に大別することができる。
    • 第1期は、1919年から1932年前後までで、児童分析の実践と、その技法を確立させ、エディプス・コンプレックスおよび超自我の形成が、個体発達上それまで一般に考えられていたよりも早い時期にあることを解明した。
    • 第2期は、1940年頃までで、うつ的態勢とその躁的防衛の概念を明らかにした。
    • 第3期は、1960年までで、妄想的・分裂的態勢について明確化している。
  • クラインが精神病理学およびその臨床に果した貢献は、大きくふたつの領域に分けることができる。そのひとつは精神分析療法の技法上の貢献であり、他のひとつは人格理論およびその発展としての精神病理学である。

 

(岩崎撤也:現代精神病理学のエッセンス-フロイト以後の代表的精神病理学者の人と業績-参照)