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脳卒中後うつ病の自然経過

脳卒中うつ病の自然経過

  • 入院中にDSM-IV診断で大うつ病(27例)、小うつ病(36例)、非うつ病(79例)の3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月の追跡による診断結果

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  • 脳卒中後大うつ病の持続期間は、大多数の患者さんにおいて12カ月以上持続することはありません。治療をしなくてもうつ病寛解は得られます。また、一次性うつ病(脳病変のないうつ病)の自然経過は通常約9カ月間持続すると言われていますが、Morrisらの検討によると脳卒中後大うつ病の平均持続期間は39週であり、一次性うつ病脳卒中後大うつ病における自然経過の持続期間の類似性が示されています。
  • 12ヵ月以内に寛解に至らず慢性うつ病になる脳卒中うつ病の患者群があります。これは、脳卒中後の大うつ病と小うつ病で異なった病因をもった患者が混在しているという事実を反映している可能性があります。また、慢性の脳卒中うつ病になる患者には、性格傾向や気分障害の家族歴といったうつ病を遷延させるような発病前の脆弱性がある場合が多く、このような脆弱性のない患者では、脳卒中うつ病の持続期間は有意に短いということが示されています。さらに、これらの遷延性うつ病は、脳卒中自体の身体障害の重症度とは有意な関連はありませんでした。これらの慢性うつ病の原因が何であるにしても、臨床的な要因の同定とこれらの障害に対する効果的な治療は、脳卒中後の気分障害研究の重要な目標になっています。