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脳卒中後うつ病と社会的機能

脳卒中うつ病と社会的機能

  • 脳卒中のような急性の身体疾患においては、家族や友人を含めた周囲の人々からの社会的支援がない場合、支援がある場合に比べてうつ病の発症率は高くなる可能性があります。
  • Robinsonらは、社会的機能検査(social functioning examination: SFE)社会的結びつき調査票(social ties checklist: STC)という評価尺度(Robinson RG et al: Arch Phys Med Rehabil, 66, 1985)を用いて脳卒中うつ病と社会的機能についての関係を検討しています。
  • その結果、脳卒中後の患者の社会的支援とうつ病との関係は、相互作用があり時間とともに変化し、社会的支援の乏しい患者は、うつ病に発展する可能性が高いことが示唆されました。
  • 脳卒中うつ病患者は、非うつ病患者よりも社会的機能が障害されていること、脳卒中前の社会的機能の障害は、脳卒中の1~2年後のうつ病の存在や重症度と関係していることが見出されました。
  • 脳卒中急性期における患者の配偶者など親近者との関係や、脳卒中前の限定された社会的活動が、脳卒中の3~6カ月後のうつ病の発症と関係し、脳卒中うつ病経済的破綻への恐れと限定された社会的活動とも関連していました。
  • 脳卒中前にできていた仕事を失う恐れは、脳卒中の1~2年後のうつ病発症の予測因子になることも示されました。
  • 脳卒中前の社会的機能障害は、脳卒中の3~6カ月後における認知機能と日常生活動作(ADL)の回復に有意な遅延をもたらすことが示され、生活資金の保障、自宅と近所との適切な関係、親近者との関係の質および社会的活動の質のすべてが、脳卒中の1~2年後における身体機能や認知機能の回復と関係していることが示されました。
  • これら上記の所見は、他の研究者と同様の結果であり、脳卒中患者の社会的機能の重要性、とくに社会的介入の有用性を示すものであり、今後さらなる研究が必要な領域です。