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現代催眠の夜明け

実証的催眠研究の始まり

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クラーク・ハル(Clark Leonard Hull, 1884 – 1952)

 

実験心理学の権威であったハルが、1933年催眠現象の統制研究をまとめた「催眠と暗示」という実験科学的研究の著書を出版した。当初は批判もあったが、米国心理学会会長を務めた彼の学習心理学における権威により、催眠への偏見は大いに打破され、これを契機として催眠研究が活性化した。

しかし、その関心は古典的催眠とは対照的に、催眠者よりも被催眠者に向けられることになり、ギリガンの言葉によれば「催眠反応は被催眠者の生来の能力によって決まるものであり、催眠者は重要ではなく被催眠者に反応性があるかどうかが問題である」という考えに傾いた。その後の研究による被催眠者の特徴としては、肥満、繊細、優しい性格、ヒステリー性格、気が弱く活気がない性格、高地の住人、ロシア人女性、それにココナッツ型の頭の持ち主などという、やや滑稽な結論も導き出されている。また、さまざまな投影法や人格検査と被催眠感受性との関連が検討されたが、その相関性は認められなかった。

(高石昇、大谷彰:現代催眠原論、金剛出版、2015.参照)