双極性障害
双極性障害(双極症)の包括的治療戦略 1. 治療の全体目標と基本方針 双極性障害の治療は、急性期の症状改善だけでなく、中長期的な「気分の安定」と「社会機能の回復(リカバリー)」を目標とする。 再発予防の原則: 双極性障害は再発率が極めて高く、放置…
1. CANMAT & ISBD ガイドライン(2018年版) カナダ気分・不安治療ネットワークと国際双極性障害学会による、世界的に最も頻繁に参照されるガイドラインの一つである。2018年の改訂で大きなパラダイムシフトがあった。 第1選択(単剤): クエチアピン、ルラ…
双極性障害のうつ病相における抗うつ薬の使用 双極性障害のうつ状態(双極性うつ病)に対する抗うつ薬の投与は、精神医学界において長年議論の的となってきた。大規模試験の結果と臨床的実状には乖離があり、慎重な判断が求められる分野である。 1. 主要な研…
双極性障害の過少診断 双極性障害の37%は、単極性うつ病と誤診されている(Ghaemi,2000)双極Ⅱ型障害の正確な診断率は9%に過ぎない(Vieta E et al, 2000)うつ病外来受診者の60%が、実は双極Ⅱ型障害(Benazzi,2004) なぜ、過少診断が起こるのでしょう…
躁病・軽躁病エピソードの診断基準(DSM5) 必須項目 気分高揚、開放的、易怒的、異常で持続的な活動亢進 (ほぼ毎日、一日の大半において出現する) 自尊心の肥大,誇大 睡眠欲求の減少 多弁 観念奔逸(考えが次々と飛ぶ) 注意散漫・易刺激性 目標志向性の…
躁状態のときの症状 感情の障害自我感情が亢進して、自信に満ちて、気分は爽快で、意気揚々とします。好き嫌いの感情を露骨に現したり、意に沿わないと急にイライラして不機嫌になったり(易刺激性)、怒り出したり(易怒性)します。感情状態が抑制されず、…
双極性障害(躁うつ病)概念の変遷 クレペリンの躁うつ病一元論 エミール・クレペリン(1899教科書第6版)は、躁状態とうつ状態が交互に出現する病型のみならず、うつ状態や躁状態のみの単一型も含めて躁うつ病(Manisch-depressives Irresein)という疾病概…