therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

双極性障害

双極性障害の治療

日本うつ病学会による双極性障害の治療ガイドライン *クエチアピン徐放剤のみ適用あり #本邦において双極性障害の各エピソードの適用外 日本うつ病学会:治療ガイドライン 双極性障害 2020より作成 CANMAT 2018 Guideline for the management of patients wi…

双極うつ病の治療ガイドライン

BAP(英国精神薬理学会)(2009) 軽症 クエチアピン ラモトリギン 中等症 クエチアピン ラモトリギン SSRI TCA(三環系抗うつ薬)以外の抗うつ薬 重症 ECT(電気けいれん療法) WFSBP(生物学的精神医学世界連合)(2010) 第1選択 クエチアピン 第2選択 単…

双極うつ病の治療

双極性障害のうつ病相に対する抗うつ薬の使用 STEP-BD (Systematic Treatment Enhancement Program for Bipolar Disorder) 米国で実施された双極性障害患者の治療効果、経過、転帰についての大規模多施設臨床試験(Sachs GS, et al. N Engl J Med 356, 200…

双極性障害の過少診断と過剰診断

双極性障害の過少診断 双極性障害の37%は、単極性うつ病と誤診されている(Ghaemi,2000)双極Ⅱ型障害の正確な診断率は9%に過ぎない(Vieta E et al, 2000)うつ病外来受診者の60%が、実は双極Ⅱ型障害(Benazzi,2004) なぜ、過少診断が起こるのでしょう…

躁病・軽躁病エピソード・混合状態の診断基準

躁病・軽躁病エピソードの診断基準(DSM5) 必須項目 気分高揚、開放的、易怒的、異常で持続的な活動亢進 (ほぼ毎日、一日の大半において出現する) 自尊心の肥大,誇大 睡眠欲求の減少 多弁 観念奔逸(考えが次々と飛ぶ) 注意散漫・易刺激性 目標志向性の…

躁状態の症状

躁状態のときの症状 感情の障害自我感情が亢進して、自信に満ちて、気分は爽快で、意気揚々とします。好き嫌いの感情を露骨に現したり、意に沿わないと急にイライラして不機嫌になったり(易刺激性)、怒り出したり(易怒性)します。感情状態が抑制されず、…

双極性障害(躁うつ病)の概念

双極性障害(躁うつ病)概念の変遷 クレペリンの躁うつ病一元論 エミール・クレペリン(1899教科書第6版)は、躁状態とうつ状態が交互に出現する病型のみならず、うつ状態や躁状態のみの単一型も含めて躁うつ病(Manisch-depressives Irresein)という疾病概…