うつ病の持続期間
- うつ病は治療をしなくても、一般的には6~13ヶ月間で症状が改善することもありますが、治療をしないでそのままにしておくと重症化して、希死念慮から自殺行動につながる危険性が増えてしまいます。
- 適切な十分な治療を受けると多くは約3ヶ月以内に改善しますが、症状が改善したからといって、3ヶ月以内に治療を中断すると再燃(症状の悪化)することがあります。したがって、症状が改善しても、さらに4~9ヶ月間はなるべく同一処方で薬物療法を継続することが推奨されています。再発を繰り返している方は、より長期の服薬継続が必要になります。
うつ病の再発
- うつ病は予後の良い病気と思われがちですが、実際には半数以上が再発し、10~20%は慢性の経過をたどる慢性疾患とも言えるわけです。
- 例えば、うつ病患者の25%は退院後6か月以内、30~50%は2年以内、50~75%は5年以内に再発します。また、初発の場合、再発するのは50%ですが、2回再発すると3回目の再発は75%、3回再発すると4回目の再発は90%にもなります。
- 最近では寛解(症状が軽快)させることで再発率が低下すると言われています。
- 一般的に再発を繰り返すごとに、寛解期(症状が軽快した状態)が短くなって、重症度が増しますので、再発を防ぐことが重要になります。
- もちろん適切な薬物療法と精神療法・カウンセリングによって、再発率は低下します。
予後に影響する要因
- 予後良好の要因
うつ症状が軽症、妄想などの精神病症状がない、他の精神疾患の併発やパーソナリティ障害がない、青年期の良好な対人関係、安定した家族、病前5年間の社会生活の安定など - 予後不良の要因
気分変調症や不安障害の併発、アルコールや薬物の依存、発達障害やパーソナリティ障害の合併、複数回の再発など
マインドフルネス認知療法
(Mindfulness- Based Cognitive therapy: MBCT)