わが国における認知症の疫学調査
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全国10市町における65歳以上の住民計約9000人を対象におこなわれた厚生労働省研究班の大規模研究(H23-24年度)によれば、2012年時点の65歳以上の認知症の有病率は15%であり、全国の認知症高齢者数は約462万人と推計されました。当初厚労省が想定した305万人を大幅に上回る結果でした。
また、認知症を発症する前段階とみられる軽度認知障害(MCI)の高齢者も、約400万人と推計されました。
認知症の基礎疾患の内訳
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面接調査で診断が確定した者 978名
新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)
- わが国における認知症高齢者の数について、厚労省は当初2012年で305万人が2017年に373万人になると推計して、5カ年計画のオレンジプランを作成しました。
- しかし上記の調査結果では、2012年ですでに462万人、65歳以上高齢者の約7人に1人と推計されました。軽度認知障害(MCI)と推計される約400万人と合わせると、65歳以上高齢者の約4人に1人が認知症またはその予備群になります。
- 高齢化の進展に伴い、2025年には認知症の人は約700万人前後になり、65歳以上高齢者に対する割合は、約7人1人から約5人に1人に上昇することが見込まれます。
- 認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人に寄り添いながら、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるよう、環境整備を行っていくことが求められています。
- 全国的な公的介護保険制度の下、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの実現を目指す中で、社会を挙げた取組のモデルを示していかなければならないということで新オレンジプランが策定されました。