インターネットの普及は人類に大きな影響を与えているわけですが、その光と影をきちんと検証して、早期に対策を講じなければならない問題もたくさんあります。
ネット依存、ゲーム依存といったインターネットゲーム障害もそのひとつです。
DSM-5で「今後の研究のための病態」として提案
WHOの最新版ICD-11では、Gaming(ゲーム症/ゲーム障害)として正式に疾病として組み込まれました。
インターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder)(DSM-5抜粋)
- 以下の5つ以上が、12カ月の期間内のどこかで起こる
- インターネットゲームヘのとらわれ.
- インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状(いらいら、不安、悲しさによって特徴づけられる).
- 耐性、インターネットゲームに費やす時間が増大していくことの必要性.
- インターネットゲームにかかわることを制御する試みの不成功があること.
- インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失.
- 心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける.
- 家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある.
- 否定的な気分(例::無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する.
- インターネットゲームヘの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある.
ネット依存による深刻な問題
本邦で、ネット依存に早期から取り組んできた国立病院機構久里浜医療センターによる「ゲーム障害が原因で過去6ヵ月に起きた問題」という統計によると
- 欠席・欠勤 59%
- 引きこもり 33%
- 物に当たる・壊す 51%
- 家族に対する暴力 27%
- 朝起きられない 76%
- 昼夜逆転 60%
この結果、12%が退学・放校、7%が失職