『精神疾患と心理学』(1954)
- 精神病理と身体病理とを同一の方法で分析することを拒否する。
- この両者は、抽象作用の点、正常と病的の区別、病人と環境の関係からも、同一次元では分析しえない。
- 精神の病の特殊性の分析は、まず「心理学的次元」においてなされる。
- 進化発達という観点(ジャクソン、フロイト、ジャネ等)
- 精神疾患を発達の特定の段階への「退行」としてとらえることは、病に対して、ただ一般的可能性という地位しか与えない。
- 個人の心理的な生活史
- 病にその必然性とその個人的な形態との原因を与える。
- 「退行」とは、過去への単なる「自然的転落」ではなく、「意図的な逃走」。
- 過去が現実化されるのは、「ただ現在を非現実化する」ためである。
- 根底には不安がひそんでいる。
- 実存的了解が必要
- 不安をさらにつき進めて理解する
- 現象学の課題
- 「病的意識を了解すること」
- 病的意識が常に「二重の照合」をもつこと
- 「病的宇宙を再構成すること」
- 「転落世界化」(ビンスワンガー)にその本質があること
- 「病的意識を了解すること」
- 進化発達という観点(ジャクソン、フロイト、ジャネ等)
- 「狂気と文化」の関係における探究の弁証法
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この4つの土壌の上にはじめて、「狂気に対する医学的意識」が展開される。
- このような歴史的理解の上に立って、改めて「発達進化」、「生活史」、「実存」の問題をとらえ返す時、はじめて狂気の意味と、逆にまたその狂気の中に現われている社会の意味とを、総体的にとらえることができる。
- なぜある種の文化の中でしか病的な退行は起こりえないのか
- 人間が人間について矛盾した経験をするのは何故か
- 人間がこの文化的世界に自己の祖国を発見しえないのはなぜか等
こうしてはじめて、「総体的構造としての狂気」に接近しうる。
- このような歴史的理解の上に立って、改めて「発達進化」、「生活史」、「実存」の問題をとらえ返す時、はじめて狂気の意味と、逆にまたその狂気の中に現われている社会の意味とを、総体的にとらえることができる。