高齢者のてんかん
- てんかんは65歳以上の高齢者で発病率が最も高い
- 意識障害を伴う焦点発作が多い
- 自動症は少なく、発作の持続が短い
- 意識が減損し、動作が停止する
- 健忘だけが目立つ
- 夢を見ているような発作(既視感、未視感)
- 短い無動凝視だけで発作後症状が目立つ
- 発作後
高齢者てんかんの病因
- 病因同定率(若年成人 50%未満、高齢初発 75%)
- 脳血管障害
- 高齢初発の30~50%
- 発症危険率 23倍
- アルツハイマー病(8~21%)
一過性てんかん性健忘(Transient Epileptic Amnesia: TEA)
- 目撃者のいるTEA50例(Butler et al. Ann Neurol, 2007)
- 平均発症年齢 62歳
- 健忘持続時間 30~60分
- 発作頻度 月単位
- 起床時から始まる 74%
- 同じ質問を繰り返す 50%
- 一瞬の無反応 24%
- 治療反応性 96%
- 発作間欠期の記憶障害 70%
高齢者てんかんは認知症やせん妄と誤認されやすい
せん妄や認知症だと思ったら、実はてんかんだったということもあります!
高齢者てんかんの治療
- ラモトリギン(LTG)
- ガバペンチン(GBP)
- レベチラセタム(LEV)
- 従来薬のカルバマゼピン(CBZ)、バルプロ酸(VPA)、フェニトイン(PHT)は、副作用、薬物相互作用を勘案して少量から漸増使用
- 新世代抗てんかん薬であるペランパネル(PMP)、ラコサミド(LCM)、LTG、LEVは、相互作用が少なく初期用量でも発作抑制が期待できる場合がある