催眠現象利用法
- 腕挙上
- カタレプシー
- 知覚鈍麻・知覚麻痺・痛覚麻痺
- 知覚過敏
- 健忘
- 記憶高進
- 記憶想起現象のことで、年齢退行に似ているが、年齢退行は過去の自分の再体験をするが、必ずしも鮮明な感覚を持って記憶を再現しているとは限らない。ただし、記憶高進が年齢退行の一部となることはある。懐かしさと親しみの体験が顕著になる。
- ストレスや情緒的場面で学習したことは、記憶高進の程度が強くなるが、これはストレスが記憶想起を抑制し、トランス中のリラックスや連合暗示により記憶想起が促進させるためだと考えられる。
- 治療適用
- 自信に満ちて大胆であった過去、幸福であった過去、将来に希望を持っていた頃の情熱を思い出させることが期待できる。
- 注意
- 過去の失敗を克明に記憶している場合、当時の成功した側面を思い出させるが、不安を惹起させることもあり、精神力動を考慮して実施する
- 陽性幻覚
- イマジネーションが現実検討に妨げられずに催眠状態による精神生理的な反応性が増強したために起こるもので、神経学的機能変化を伴わない。
- 治療適用
- 過去あるいは現在において情緒的に重要な人物の幻視や、その人物による暖かい励ましの言葉、例えばアスリートにおいては競技場面でのコーチの声などの操作的幻聴が不安の軽減に有効。しばしば年齢退行と補完的に用いられる。
- 陰性幻覚
- 盲目様の体験をする催眠盲は、知覚刺激はインプットされているが、被験者がこれを否定して意識の外に置くものと結論されている。
- 治療適用
- 視野狭窄を暗示して余計な刺激をブロックし、重要なことに集中させるは、アスリートやあがり症に有効である。禁煙のときは快刺激としての煙草の匂いが感じなくなるという陰性幻覚暗示を与える。