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覚せい剤やコカインの使用障害

精神刺激薬使用障害(Stimulant Use Disorder)(DSM-5)

 

A. アンフェタミン型物質、コカイン、またはその他の精神刺激薬の使用様式で、臨床的に意味のある障害や苦痛が生じ、以下のうち少なくとも2つが、12カ月以内に起こることにより示される

  1. 精神刺激薬を意図していたよりもしばしば大量に、または長期間にわたって使用する.
  2. 精神刺激薬を減量または制限することに対する持続的な欲求または努力の不成功がある.
  3. 精神刺激薬を得るために必要な活動、その使用、またはその作用から回復するのに多くの時間が費やされる.
  4. 渇望、つまり精神刺激薬使用への強い欲求、または衝動
  5. 精神刺激薬の反復的な使用の結果、職場、学校、または家庭における重要な役割の責任を果たすことができなくなる.
  6. 精神刺激薬の作用により、持続的、または反復的に社会的、対人的問題が起こり、悪化しているにもかかわらず、その使用を続ける.
  7. 精神刺激薬使用のために、重要な社会的、職業的、または娯楽的活動を放棄、または縮小している.
  8. 身体的に危険な状況においても精神刺激薬の使用を反復する.
  9. 身体的または精神的問題が、持続的または反復的に起こり、悪化しているらしいと知っているにもかかわらず、精神刺激薬の使用を続ける.
  10. 耐性、以下のいずれかによって定義されるもの:
  • 中毒または期待する効果に達するために、著しく増大した量の精神刺激薬が必要
  • 同じ量の精神刺激薬の継続的使用で効果が著しく減弱

注:この基準は注意欠如・多動症またはナルコレプシーのための投薬のような適切な医学的指導のもとにおいてのみ精神刺激薬が摂取される際には考慮されない.

  1. 離脱、以下のいずれかによって明らかとなるもの:
  • 特徴的な精神刺激薬離脱症候群がある.
  • 離脱症状を軽減または回避するために、同じ精神刺激薬を摂取する.

注:この基準は注意欠如・多動症またはナルコレプシーのための投薬のような適切な医学的指導のもとにおいてのみ精神刺激薬が摂取される際には考慮されない.

 

 

診断的特徴

  • アンフェタミンアンフェタミン型の精神刺激薬には、置換基をもつフェニルエチラミン構造をもつ物質、例えばアンフェタミン、 デキストロアンフェタミンメタンフェタミンが含まれます。 また、 メチルフェニデートのように、構造的には異なるが同様のアンフェタミン作用をもつ物質も含まれます。
  • メタンフェタミンは経鼻的に摂取されることもありますが、これらの物質は通常、経口的あるいは経静脈的に摂取されます。合成アンフェタミン型物質に加えて、チャットのような植物から抽出された天然の刺激物質も存在します。アンフェタミンや他の精神刺激薬は、肥満、注意欠如・多動症ナルコレプシーの治療処方から得られる場合もあります。その結果、処方された精神刺激薬は非合法的な市場に出回るかもしれません
  • アンフェタミンアンフェタミン型物質の効果は、コカインと似ています。そのため、 これらの精神刺激薬使用障害の診断基準は、その人が特別な精神刺激薬を使用したかを特定することができる単一の障害としてここに示されています。
  • コカインは、いくつかの加工品(例:コカの葉、コカペースト、塩酸コカイン、フリーベースやクラックのようなコカインアルカロイド)という形で消費されるかもしれませんが、それらは純度や発現の速さの違いがさまざまであるために効力が異なります。しかしどの形であっても、コカインがそれぞれの加工品における活性成分である.塩酸コカインの粉末は通常、鼻孔を通じて“吸鼻"されるか、水に溶かされて静脈内に投与されます。
  • アンフェタミン型の精神刺激薬あるいはコカインに曝露された個人は1週間という速さで精神刺激薬使用障害へと発展することがありますが、その発現は必ずしもこれほど迅速とは限りません。
  • 投与経路にかかわらず、反復的な使用によって耐性が形成される.離脱症状、とりわけ睡眠過剰、食欲充進、不快気分がみられ、これが渇望を増強しうる.精神刺激薬使用障害者の多くが耐性か離脱を経験しています。
  • アンフェタミン型精神刺激薬とコカインの障害ではその使用様式と経過は似ています。なぜなら両物質ともに、類似した向精神作用と交感神経系興奮作用を有する中枢神経系刺激薬であるからです。
  • アンフェタミン型精神刺激薬はコカインに比べて効果が長く持続するため、通常1日あたりに摂取される頻度はより少ない。使用は慢性的、または短期間の非使用期間をはさんだ過度の使用を伴う間欠的なものとなります。
  • 攻撃的あるいは暴力的な行動がしばしばみられ、 とりわけ高用量を吸入するか経口あるいは経静脈的に摂取されたときに生じやすい.パニック症や全般不安症に類似する強烈な一過性の不安、統合失調症に似た妄想様観念や精神病エピソードが、高用量の使用でみられます。
  • 離脱状態は、抑うつエピソードに類似することのある、一時的だが強い抑うつ症状を伴つています。この抑うつ症状は通常1週間で解決します。
  • アンフェタミン型精神刺激薬に対する耐性も形成され、しばしば用量の増加をまねいています。逆に、アンフェタミン型精神刺激薬使用者の中には、反復使用による効果の増強が特徴である過敏性を生じる者もいます。

 

診断を支持する関連特徴

  • 注射や吸人時に精神刺激薬は典型的にはただちに幸福、自信と多幸症の感情を生じさせる.精神刺激薬使用障害があると劇的な行動変化が急速に発現します。
  • 混乱した行動、社会的孤立、攻撃的行動、性機能不全は長期の精神刺激薬使用障害の結果としてみられます。
  • 急性中毒では、 とりとめのない会話、頭痛、一過性の関係念慮、耳鳴りを示すことがある.妄想様観念、明瞭な知覚の中での幻聴、幻触もあるかもしれず、使用者は通常それを薬物の作用と認めています。
  • 威嚇や攻撃的態度の行動化が起こるかもしれません。.
  • 抑うつ自殺念慮、易怒性、快感消失、情動不安定、注意や集中の障害は離脱の際によくみられます。
  • コカイン使用に関連して起こる精神的障害は、通常使用中止後数時間~数日で解消するが、1カ月持続することもあります。
  • 精神刺激薬離脱中の生理学的変化は中毒期における変化と反対であり、時々徐脈も含みます。
  • 一過性の抑うつ症状は抑うつエピソードの症状と期間の基準を満たすかもしれません。
  • 反復するパニック発作、社交不安症様行動、全般性不安様症候群などの病歴をもつ人も多く、摂食障害もまた多い。
  • 精神刺激薬中毒の極端な例は精神刺激薬誘発性精神病性障害で、これは統合失調症に似た障害で妄想や幻覚を伴います。
  • 精神刺激薬使用障害の人は薬物に関連した刺激に対する条件反応(例:白い粉末様物質ならどんなものでも見たいという渇望)をしばしば発現させます。これらの反応は再発の一因となり、消去が困難で、中毒からの完全回復後も持続します。
  • 精神刺激薬離脱の際には自殺念慮や自殺企図を伴った抑うつ症状が起こるかもしれず、これらは一般的に最も深刻な問題です。