therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

統合失調症

双極性障害の治療

日本うつ病学会による双極性障害の治療ガイドライン *クエチアピン徐放剤のみ適用あり #本邦において双極性障害の各エピソードの適用外 日本うつ病学会:治療ガイドライン 双極性障害 2020より作成 CANMAT 2018 Guideline for the management of patients wi…

サリバンとミンコフスキーの精神分裂病論

精神分裂病の精神力動論 力動精神医学とは サリバンの対人関係理論 3種類の体験様式 サリバンの精神分裂病発生論 サリバンとミンコフスキーとの対比 「現実との生ける接触の喪失」 「自閉性」概念の確立 (内村祐之:精神医学の基本問題(1972)参照) (文…

オイゲン・ブロイラーとアドルフ・マイヤーの対照

ブロイラーとクライスト ブロイラーとマイヤー ブロイラーの精神分裂病研究とクレペリン ブロイラーの分類 ブロイラーと精神分析 マイヤーの横顔 マイヤーの「早発性痴呆の力動的解釈」 マイヤーと精神分析 マイヤーの反応型学説 マイヤーの精神生物学 (内…

統合失調症の回復期対応と再発予防

回復期・維持期に行われること 症状が改善、十分な睡眠も取れるようになります。 入院患者の場合、退院に向けてリハビリテーションを行います。 外来患者の場合、デイケアに通院するなど、社会復帰を目指したプログラムを実施されます。 生活リズム構築の妨…

抗精神病薬の副作用

神経学的副作用 パーキンソニズム・最もよくみられる可逆性の運動障害。加齢とともに出現率は増加。抗コリン性抗パ薬にて治療。 急性ジストニア・若年者に多く,数時間から数日の間に自然軽快することが多い。抗コリン性抗パ薬やジアゼパムにより治療。 アカ…

統合失調症の治療薬

第1世代抗精神病薬(FGA)の主なもの 作用機序 ドーパミンD2受容体阻害作用 力価 低力価薬物は、鎮静、起立性低血圧、抗コリン作用を出現させやすい。 高力価薬物は、錐体外路症状を出現させやすい。 第2世代抗精神病薬(SGA) 現在第1世代抗精神病薬に変わ…

統合失調症の治療設定

統合失調症の治療ゴール リカバリー(回復)を見据えた治療が必要であり、そのためには症候学的な寛解が最低限必要です。 寛解は、幻覚妄想などの症状が軽快して、6ヶ月以上持続することが必要です。 リカバリーとは、最高の質のケアと情報が患者とその家族…

統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群の診断

統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群(DSM-5) (Schizophrenia Spectrum and Other Psychotic Disorder) DSM-5の統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群に含まれるのは、統合失調症、他の精神病性障害、統合失調型パーソナリ…

統合失調症の症状・従来病型・経過

統合失調症の症状 Bleulerの基本症状(Bleulerの4A) 連合(Association)の弛緩 両価性(Ambivalent) 感情(Affect)の表出障害 自閉(Autism) Schneiderの一級症状 思考(考想)化声:自分の考えが声になって聞こえる 問答形式の幻聴 自分の行為を批判…

統合失調症の概要

統合失調症の概要 現在、昔のような古典的で典型的な統合失調症は、少なくなり、一部を除いては、軽症化と症状の多彩化が認められ、新しい治療薬の登場もあり、多くが社会復帰できるようになっています。 狭義の概念 主として思春期に発病し、特徴的な思考障…