2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
サルペトリエール学派とナンシー学派の催眠 サルペトリエール学派の催眠シャルコーが率いるサルペトリエール学派の催眠法は、「大量刺激法」と呼ばれる過度の刺激を患者に与え、そのショックで催眠状態に誘導しようとするものである。例えば、中国のドラやア…
シャルコーのヒステリー研究と催眠 ジャン-マルタン・シャルコー (Jean-Martin Charcot、1825 – 1893) シャルコーは、多くの脊髄や脳の疾患の発見や記載によって不朽の業績を遺した近世神経学の始祖であるが、一方で、彼はそのヒステリー研究において、当…
ヒプノティズムの誕生③ ジェイムズ・ブレイド(James Braid、1795 - 1860) ブレイドはスコットランド人で、1815年エディンバラ大学で外科医の資格を取り、イギリスロイヤルカレッジのメンバーにもなっている。 1841年、ブレイドはマンチェスターで、フラン…
ヒプノティズムの誕生② ジェイムス・エスディール(James Esdaile、1808 - 1859) ジェイムス・エスディールは、インドのHooglyに駐留したスコットランド人医師で、1840年代、催眠麻酔によって2,000例に及ぶ手術を行いました。そのうち300例は四肢切断、フィ…
ヒプノティズムの誕生① ジョン・エリオットソン(John Elliotson、1791 – 1868) 1837年にロンドン大学の医学部教授ジョン・エリオットソンがフランス人のメスメリスト(ジュール・デュポット男爵)の実演をロンドンで見て、その結果に驚嘆する。 エリオット…
古典的催眠 1775年のメスメルの動物磁気の提唱から1894年のフロイトの催眠の放棄までの期間 メスメルと動物磁気(animal magnetism):メスメリズム (mesmerism) Franz Anton Mesmer(1734-1815) 18世紀中期は重力、化学反応、電気、磁気など自然科学上の発…
催眠の本質についての論争 状態論派-トランスとしての変性意識状態 非状態論派-通常の心理反応の一形態↓ 二者択一的な考えではなく、大脳生理に根拠をおく変性意識と、さまざまな心理・社会・対人要素の関わり、さらに暗示の役割がいかなる状況で、どのよ…
催眠の定義 催眠は他律的もしくは自律的な暗示により、独特でしかも多様な精神的身体的変化の惹起された状態である。まずは単調刺激への注意集中や暗示により現実意識の低下、没頭などの精神活動の内向化が生起する。暗示はさらに、運動、知覚、情動、思考へ…