認知症
リコード(ReCODE: Reversal of Cognitive Decline)法 「アルツハイマー病 真実と終焉」(デール・ブレデセン著 、白澤卓二監修、山口茜訳、ソシム(株)) アルツハイマー病の新たな分類 炎症性(脳の炎症が原因で、食事も深く関与) 萎縮性(脳機能の維持…
認知症の予防 趣味を持ち、仲間を作り、適度な運動を続ける。 ストレスはためない。 魚、緑黄色野菜を腹八分目。 ポリフェノールを含む緑茶と赤ワインを飲み、食後に果物を摂る。 高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満やうつがあれば治療する。 一日30分の昼寝…
BPSDに対する治療の原則 まず治療が必要なBPSDかを検討 本人にとって苦痛や負担 になっている場合 介護者や家族の負担になっている場合 BPSD原因の検索 身体疾患 併発症の治療薬剤 環境・状況(家族関係、介護者の誤った対応など) 原因に対する治療を優先 …
認知症の薬物療法としては、現在、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬が3剤、NMDA受容体阻害薬が1剤の計4剤があります。いずれも認知症の中核症状の進行抑制作用がありますが、BPSDに対してはAche阻害剤が賦活系、NMDA受容体阻害薬が鎮静系です。副作…
認知症の非薬物療法 非薬物療法は、認知症の人の混乱や不安を取り除き、和やかな人間関係と生活の場をもたらすことを目的に行われますが、BPSDが軽減され、介護も円滑に進み、介護者にも余裕が生まれます。いろいろな働きかけによって昼間の覚醒度が上がり不…
認知症の治療の基本 認知症のケア 認知症の人が体験しているこころの世界を理解することが基本 認知症の初期に記憶障害が出現して、「思い出そうと思っても思い出せない」、「自分が何をしていたのかがわからなくなる」ので、不安と混乱でいっぱいになります…
認知症診断の流れ 問診と診察 いつごろからどんな症状がみられて、どんなことで困っているかなど 今までにかかった病気やけが、飲んでいるお薬について 運動まひ、手足のしびれ、言語障害などの有無、飲酒歴など 血液検査、全身検査で、他の疾患などがないか…
3Dの鑑別 認知症(Dementia)、うつ病(Depression)、せん妄(Delirium)の鑑別は、非常に重要です。 認知症とうつ病(仮性認知症)については、以下で詳しく説明しましたが、うつ病の場合には抗うつ薬治療で改善しますので、その鑑別は重要ですが、必ずし…
脳細胞の変性、消失により認知機能が低下するのがアルツハイマー型認知症です。 一方、脳梗塞や脳出血などの脳卒中後には、認知機能が低下する場合があり、脳血管性認知症と言われています。 認知機能が低下する点は共通ですが、成因や症状などは異なります…
長谷川和夫先生(認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授)が作成されたHDS-Rは、最も汎用されている認知症の評価スケールです。 作成者の長谷川先生(89歳)が自ら認知症になったことを公表して、ありのままを受け…
認知症にはアルツハイマー病を中心とする変性性認知症と血管性認知症があります。アルツハイマー病とレビー小体型認知症について記載しましたが、もう一つ重要な変性性認知症が前頭側頭型認知症です。 前頭側頭型認知症(Front-temporal Dementia: FTD) 昔…
レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies: DLB) コマーシャルでも有名な小阪健司先生(現横浜市立大学名誉教授)が発見。小坂先生は認知症の20%がDLBだと主張しており、ADに次いで多い認知症です。小坂先生はとっても気さくな先生で、私の恩師の故…
アルツハイマー病(AD)の診断基準 NINCDS-ADRDA(1984)アメリカの国立神経障害・脳卒中研究所(NINDS)とアルツハイマー病・関連障害協会(ADRDA)の合同作成 (DSM−Ⅳとの相違点) 認知症を神経心理テストで確認 発症が40~90歳 診断を支持する所見:CTで…
アルツハイマー病の経過と症状変化 認知症の中核症状とBPSD 中核症状(記憶障害、認知障害、人格変化) 程度の差はあれすべての患者さんにみられます。 疾患の進行とともに悪化します。 神経細胞の脱落にともなう能力の喪失です。 BPSD(精神症状・行動障害…
軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI) 自覚的なもの忘れ(記憶障害)の訴えと家族によるその確認 年齢に比し記憶力が低下→絶対的低下ではなく個人の以前の状態に比べて低下がみられる状態 記憶以外の全般的な認知機能はおおむね正常 運転や家計な…
認知症とは? 簡単に定義としては、 いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害(記憶能力、思考判断力、言語機能などの障害)があるために、社会生活に支障をきたすようになった状態 老化と認知症のもの忘れの違い 人の名前が思い出…
わが国における認知症の疫学調査 全国10市町における65歳以上の住民計約9000人を対象におこなわれた厚生労働省研究班の大規模研究(H23-24年度)によれば、2012年時点の65歳以上の認知症の有病率は15%であり、全国の認知症高齢者数は約462万人と推計されま…
アパシーとは? 脳卒中後などには、うつ症状と混同されやすい、自発性の低下を主体としたアパシーという病態が出現することがあります。アパシーの語源はギリシャ語のapatheiaという語に由来し、感情(pathos)の欠如を示しますが、精神神経学用語集では「無…
うつ病と認知症の併発 アルツハイマー病の40~50%に抑うつ気分、10~20%にうつ病が合併(Wragg RE et al, 1989) 血管性認知症の60%にうつ症状がみられ、27%にうつ病が合併(Cummings JL et al, 1987) アルツハイマー型認知症の42%、脳血管性認知症の3…
認知症とうつ病の仮性認知症との鑑別 高齢者のうつ病は、思考抑制などが強くなると仮性認知症といって、認知症と同様な症状を呈することがあります(10~30%)。仮性認知症の場合には、抗うつ薬治療などでうつ症状が改善すれば認知症様の症状も改善しますの…