therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

マイヤーの思想的背景と業績

マイヤーの思想的背景と業績 マイヤーの精神医学は、ひとくちに常識の精神医学と呼ばれる。精神障害を、生物-心理-歴史-社会という多次元の要因から成る統合体としての個人が、環境に対する適応に失敗して起こした反応であるとする彼の考えは、いかにもこ…

アドルフ・マイヤーの生涯

アドルフ・マイヤー(Adolf Meyer, 1866-1950) (100 Influenced Peopleより) アドルフ・マイヤーは、1866年、スイスのチューリヒから数マイルの近郊にあるニーダーヴェーニンゲンで生まれた。父は牧師で、叔父が医師であった。 マイヤーは、チューリヒ大…

ジャネの精神病理学

ジャネの精神病理学 ジャネの精神病理学の3期 第1期 『精神自動症』(1889)、『ヒステリー患者の精神状態』(1911)、『諸強迫と精神衰弱』などによるヒステリー論および精神衰弱論。 第2期 1920年代の心理学を体系化した時期 『傾向の断層的秩序』の8段…

ピエール・ジャネの人と生涯

ピエール・ジャネ(Pierre Janet, 1859-1947) (Wikipediaより) ジャネは、20世紀前半におけるフランス精神病理学界および心理学界の頂点に立つ巨匠であった。ジャネの晩年の思想は、サルトルやツットをとおして見直されている。 ジャネは1859年、当時のヨ…

クレペリンの二大精神病論

クレペリンの二大精神病論 クレベリンの貢献の中で後世に大きな影響を与え続けているのは、主として『精神医学教科書』に示されている二大精神病の研究である。 この二大精神病概念の形成過程として、1883年の精神医学教科書初版ともいうべき『精神医学摘要…

エミール・クレペリンの経歴

エミール・クレペリンの経歴 エミール・クレペリン(Emil Kraepelin, 1856 - 1926) 1920年(wikipediaより) 19世紀は、精神医学の歴史において、新たな歩みが開始された変革の時代だった。とくにその後半は、「宗教的、哲学的な物の見方に対する自然科学的…

フロイト 批判と功績

フロイトへの批判 心理性的発達について、主に男性に焦点が当てられ、女性への言及が少ない。 リビドーのような概念は測定することが難しく、フロイトの理論は科学的に検証することができない。 幼児期の体験が、将来の問題行動に発展することを予測している…