therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

認知症の薬物療法

認知症の薬物療法としては、現在、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬が3剤、NMDA受容体阻害薬が1剤の計4剤があります。いずれも認知症の中核症状の進行抑制作用がありますが、BPSDに対してはAche阻害剤が賦活系、NMDA受容体阻害薬が鎮静系です。副作…

認知症の非薬物療法

認知症の非薬物療法 非薬物療法は、認知症の人の混乱や不安を取り除き、和やかな人間関係と生活の場をもたらすことを目的に行われますが、BPSDが軽減され、介護も円滑に進み、介護者にも余裕が生まれます。いろいろな働きかけによって昼間の覚醒度が上がり不…

認知症のケア

認知症の治療の基本 認知症のケア 認知症の人が体験しているこころの世界を理解することが基本 認知症の初期に記憶障害が出現して、「思い出そうと思っても思い出せない」、「自分が何をしていたのかがわからなくなる」ので、不安と混乱でいっぱいになります…

認知症診断の実際

認知症診断の流れ 問診と診察 いつごろからどんな症状がみられて、どんなことで困っているかなど 今までにかかった病気やけが、飲んでいるお薬について 運動まひ、手足のしびれ、言語障害などの有無、飲酒歴など 血液検査、全身検査で、他の疾患などがないか…

3Dの鑑別

3Dの鑑別 認知症(Dementia)、うつ病(Depression)、せん妄(Delirium)の鑑別は、非常に重要です。 認知症とうつ病(仮性認知症)については、以下で詳しく説明しましたが、うつ病の場合には抗うつ薬治療で改善しますので、その鑑別は重要ですが、必ずし…

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の鑑別

脳細胞の変性、消失により認知機能が低下するのがアルツハイマー型認知症です。 一方、脳梗塞や脳出血などの脳卒中後には、認知機能が低下する場合があり、脳血管性認知症と言われています。 認知機能が低下する点は共通ですが、成因や症状などは異なります…

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

長谷川和夫先生(認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授)が作成されたHDS-Rは、最も汎用されている認知症の評価スケールです。 作成者の長谷川先生(89歳)が自ら認知症になったことを公表して、ありのままを受け…