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催眠情動調整法

催眠情動調整法

  • 情動調整は単に情動だけでなく、思考、感情、行動、生理の安定化などを含み、個人に内在するさまざまな要素のフィードバックによってその実現を図る。
  • 個人に潜む治癒能力を積極的に活発化させ心身の安定と適応を推進させ、症状の緩和、不適切な行動の矯正を試みる情動調整は、催眠や瞑想などの補完代替療法ポジティブ心理学などの概念と通じるところも多い。
  • 情動調整の基盤は、乳児期からの愛着関係によって形成され大脳生理が大きく関わっている。愛着関係の形成不全はストレス反応や対人トラブルなどの適応問題や境界性パーソナリティ障害などのパーソナリティ障害、トラウマ反応、摂食障害解離性障害など多くの心理・行動障害とも繋がる。

 

  • 催眠が情動調整に適しているのは以下の3つの要因による。
  1. 自律訓練法に代表される恒常性(ホメオスタシス)のもたらす回復作用
  2. 催眠による蒼古的密着関係(心的退行によって治療者とクライエントの間に生じる現象)の惹起→不安定な愛着関係の修復に応用
  3. 無意識の活用→意識的コントロールによらず、受容によってマイナス感情を抑制緩和させる働き

 

  • シャボン玉テクニック(イメージによる情動調整)
  1. シャボン玉のなかは安全で心地よい
  2. それは透明で他人には見えず、外界の脅威から常に保護する役割
  3. シャボン玉の動きを自由自在にコントロールできる

 

  • 握りこぶし弛緩テクニック(身体操作のよる情動調整)
  1. 意識的に緊張させた握りこぶしをリラックスさせ、それによって生じる感覚を利用する。
  2. 漸進的弛緩法、臨床動作法、太極拳やヨーガなども同様な情動調整法
  3. 抜毛癖やチックなどに適用される習慣逆転法などはその一例

認知症の予防と回復(リコード法)

リコード(ReCODE: Reversal of Cognitive Decline)法

 

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アルツハイマー病 真実と終焉」(デール・ブレデセン著 、白澤卓二監修、山口茜訳、ソシム(株))

アルツハイマー病の新たな分類

  1. 炎症性(脳の炎症が原因で、食事も深く関与)
  2. 萎縮性(脳機能の維持に必要な栄養素やホルモンの欠乏) 
  3. 糖毒性(炎症性と萎縮性の混合型で、糖尿病から起こる) 
  4. 毒物性(カビ毒や水銀などの毒素によるもの)

 

  • これまでアルツハイマー病は、アミロイドベータというタンパク質の沈着が原因と考えられ、その除去を治療の主眼にしてきた。しかし、実はアマロイドベータは単なる悪者ではなく、脳の防御反応として脳細胞を守る役割のあることも判明した。
  • アミロイドベータが過剰になると、本来守るべき脳細胞を壊してしまうため、アミロイドベータが溜まる原因(脳の脅威)を取り除いていけば、アルツハイマー病の予防も回復も可能である。
  • アルツハイマー病の発症は、症状がなくとも40歳頃から始まっており、その頃から食事・運動・睡眠といった生活習慣の改善、脳の栄養不足を補うサプリメント脳トレーニング、ストレス対策などを実践することが望ましい。

 

以下の実践が効果的

  1. 糖類、パン、ジャガイモ、白米、ソフトドリンクなどの単純炭水化物食品を最小限にする(いわゆる糖質制限
  2. 適度な運動(早歩きやもっと激しい運動を週150分以上)
  3. 毎日少なくとも12時間は絶食する(夕飯から朝食まで12時間は空ける)

 

なるべく摂取するもの

  • 完全無欠コーヒー(バターコーヒー)で一躍有名になったMCTオイルココナッツオイルなどの中鎖脂肪酸、オリーブオイル、アボガド、ナッツなどといった不飽和脂肪酸の摂取
  • 野菜を中心とし、ジャガイモなどのでんぷん質の野菜は控えめにする。ただし、サツマイモやグリーンバナナなどの難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)は可
  • デトックス効果のあるブロッコリーやカリフラワーなどアブラナ科の野菜、ケールやホウレンソウなどの葉物野菜、タマネギやニンニクなどの硫黄化合物を含有している野菜、キノコ類、クズイモ、ネギ、キクイモなど
  • 天然ものの魚。特にサケ、サバ、アンチョビ(カタクチイワシ)、イワシ、ニシンは水銀汚染が少なく積極的にとる。平飼い卵、キムチやザワークラウトなど
  • チーズやオーガニックの全乳、プレーンヨーグルトはたまになら可

 

なるべく摂取を控えるもの

  • パン、パスタ、コメ、ケーキ、ソーダなどの単純炭水化物
  • 穀類、加工食品、マグロ、サメ、カジキマグロなど水銀汚染リスクが高い魚類、パイナップルなどの甘い果物、グルテンや乳製品など過敏性が出やすい食品など

後催眠暗示

後催眠暗示

 

  • 催眠中に与えられた暗示が催眠後に行動、態度、感情として現実化される反応である。真の後催眠暗示は自動的に起こり、被験者はその原因も動機も意識しない解離性の行動であり、意識活動の流れは一時中断している。
  • この不全型として、暗示に対する健忘が伴わず、そのため行動が意図的に、しかし強迫的になされる場合がある。また自動的に反応せず、考えながら行動することもある。
  • ワイツェンホッファーは、暗示の内容を意識する度合いは被験者の反応にほとんど影響を及ばさないという。また、後催眠暗示が行われるときには、短い催眠状態を伴っているが、外からそれとわかるようなトランス状態に入らないと考えられている。
  • 治療の実際で、その効果がその効果が現実生活で自然に実現されることが必要とされる機会は多く、催眠療法にとって極めて重要な現象である。
  • 後催眠暗示の持続期間は2-3ヵ月から数年に及ぶとされ、16年もの間続いたとの報告もある。

治療適用

  • 偏頭痛、慢性疼痛、分娩予期不安、競争場面でのあがり症、さまざまな恐怖症、性倒錯や薬物依存などの嗜癖行動に適用される。例えば野球のバッターがバッターボックスに立つときにボールに集中するために視野狭窄を与えたり、就職試験の口頭試問で入室したとたんに自信やリラクセーションが起こるなどの暗示である。

時間再構成法-②年齢進行

時間再構成法-②年齢進行

 

  • 未来において成功した自己のイメージを描かせる方法である。エリクソンによれば深い催眠状態でイメージさせるため、その体験が意識的空想に比べ、より強く現実味を帯びており、望むべき未来の目標が本当に成就されたものとして感じられる
  • 「人は過去の要因に影響されるだけでなく、未来の目標も志向している。」と唱えたアルフレッド・アドラー未来志向療法とも軌を一にするところがある。

時間再構成法-①年齢退行

時間再構成法-①年齢退行

 

  • 1800年代から報告があるが、この技法が多く用いられるようになったのは、第一次および第二次世界大戦における心的外傷(戦争神経症、いわゆるPTSDに対してである。
  • 部分退行はクライエントが二重の意識状態にあり、退行時の情緒と成長してからの認知を合わせ持っている。完全退行(鮮明想起)では、二重の意識状態はなく、退行年齢に応じた情緒のみを体験する。
  • 完全退行時では、記憶、認知、知能テストで年齢に相応する反応を示し、子供の認知が再現されて、成人期の記憶が減退しているとの報告もあるが、多くの研究で認知機能や知能指数が退行した年齢よりは高いことが認められている。
  • しかし、心的外傷例で、意識化されることのなかった記憶や知識が回復したり、例えば、それまで日本語を解し得なかった日系アメリカ人が退行年齢に相応した日本語を正確にしゃべったという報告もある。一方、誘導的な質問や暗示により、記憶の間隙を作話や歪曲で巧みに埋める事例も報告されている。
  • このように催眠が記憶の回復を可能にする場合もあるが、不正確な情動を想起する場合もあるため、催眠によって得られた事実は常に検証が必要である。
  • 催眠退行の情緒・知覚生理的側面については、いまだ結論を得ていないが、情動的な側面への回復については注目する必要がある。
  • しかし、心的外傷後のクライエントにカタルシスを起こさせることは、それ自体が治療的であると考えるのは間違いである。不幸な出来事を再体験するだけでは助力となり得ない。心的外傷で歪められた自我があまりにも退行し、心的外傷の再体験によって混乱し恐怖に陥る危険がある。このときにはトランスを短縮し、支持的に話しかけ自我強化法を行うべきである。このとき激しい恐怖のためにラポールが失われたクライエントに対しては非言語シグナル、例えばクライエントの右肩をぎゅっと掴むなども有効である。
  • 近年、年齢退行に関連して、世界中で前世退行への関心が高まっている。しかし、厳密な統制研究の結果、前世退行の経験はクライエントの期待と術者からの暗示および要求特性がその本質であり(Baker, 1982)、しかもそ出典健忘とするのが最も適当な説明とされている(Edward, 1989, Harris, 1986, 大谷, 2008)。また、前世退行の治療的な問題点を吟味せずに、有用性だけを強調することは、あってはならない。

(高石昇、大谷彰:現代催眠原論、金剛出版、2015.参照)

催眠現象利用法

催眠現象利用法

 

  1. 腕挙上
    • 催眠誘導で最も多く引き起こされる手と腕の挙上運動で、理想的には努力をせずに自動的に挙上しカタレプシーに移行してとどまる。
    • 治療のユニークさをクライアントに感じさせ、それに続く催眠誘導の促進剤になる。
    • 治療適用
      • うつ状態に対して自分自身の力で自発的に動き、気分の重さが軽くなるというシンボルイメージ
      • 体重コントロールの時に軽いという感じをはっきり体験できるシンボルイメージ
      • インポテンツに対して、肘を曲げずに伸ばし、こぶしを作り、まっすぐ硬く空中への直立を持続するシンボルイメージ
    • 禁忌
      • チックや筋痙攣などの神経疾患、麻痺患者など、体動をコントロールできないクライエント

 

  1. カタレプシー
    • 身体の一部が動かない状態で、自覚的には筋肉の緊張→弛緩の快いバランスが感じられる。催眠過程で何ら暗示がなく自発的に発生するので、トランスを体験させ催眠を誘導深化させる方法になる。
    • 治療適用
      • 一定時間の制止を必要とする検査、例えばMRI検査などに有効。
      • 落ち着きのない状態に対して、リラックスさせ活動性を低めることもできる。
    • 禁忌

 

  1. 知覚鈍麻・知覚麻痺・痛覚麻痺
    • 知覚麻痺は知覚鈍麻の強いものである。皮膚感覚に限られるが、疼痛や不快な感覚のコントロールに適用。
    • 治療適用
      • 分娩、心疾患やアレルギーのために手術に麻酔剤を使えない場合に利用。
      • 医学的な方法が無効な慢性疼痛、例えば偏頭痛、三叉神経痛、関節痛など
      • 競技のために薬物を使用できないアスリート、薬品アレルギー、薬物依存、心機能障害、呼吸障害、中枢神経系の障害などで鎮痛剤が使えない場合
      • 繁用されるのは、頭痛、火傷、背痛、癌転移の痛みなど
    • 注意
      • 情緒的か医学的に意味のある疼痛には要注意であり、長期にわたる麻痺性疾患や皮膚感覚障害、例えば糖尿病性神経傷害などはとくに注意が必要

 

  1. 知覚過敏
    • 知覚を鈍麻させるだけでなく、過敏にすることも可能
    • 治療適用
      • 疼痛や不快感覚を高めることにより、リストカット、頬噛み、抜毛癖など、さまざまな自傷行為に有効。
      • 薬物依存、喫煙、過食、性的嗜好異常などの不適応行動に対して行う潜在感作法において、催眠暗示により嫌悪刺激の強さを高め治療を促進させる(イメージ嫌悪療法)
      • 快感覚を高めることで性機能不全に対する治療にも適用される

 

  1. 健忘
    • 名前や年齢など通常忘れることのできないことを忘れ、催眠以前の記憶や催眠中の経験などを忘れる
    • 治療適用
      • 記憶高進に悩む、例えば別れた恋人への想いを断ち切れない場合
      • 強迫神経症も記憶高進に由来して、過去の失敗、不幸の体験を引きずって低い自己評価に悩む場合
      • 慢性疼痛の痛みの記憶の健忘
      • エリクソンは、催眠による学習が意識の干渉を受けないように、治療変化を自立的なものと感じさせるために健忘を奨励している

 

  1. 記憶高進
    • 記憶想起現象のことで、年齢退行に似ているが、年齢退行は過去の自分の再体験をするが、必ずしも鮮明な感覚を持って記憶を再現しているとは限らない。ただし、記憶高進が年齢退行の一部となることはある。懐かしさと親しみの体験が顕著になる。
    • ストレスや情緒的場面で学習したことは、記憶高進の程度が強くなるが、これはストレスが記憶想起を抑制し、トランス中のリラックスや連合暗示により記憶想起が促進させるためだと考えられる。
    • 治療適用
      • 自信に満ちて大胆であった過去、幸福であった過去、将来に希望を持っていた頃の情熱を思い出させることが期待できる。
    • 注意
      • 過去の失敗を克明に記憶している場合、当時の成功した側面を思い出させるが、不安を惹起させることもあり、精神力動を考慮して実施する

 

  1. 陽性幻覚
    • イマジネーションが現実検討に妨げられずに催眠状態による精神生理的な反応性が増強したために起こるもので、神経学的機能変化を伴わない。
    • 治療適用
      • 過去あるいは現在において情緒的に重要な人物の幻視や、その人物による暖かい励ましの言葉、例えばアスリートにおいては競技場面でのコーチの声などの操作的幻聴が不安の軽減に有効。しばしば年齢退行と補完的に用いられる。

 

  1. 陰性幻覚
    • 盲目様の体験をする催眠盲は、知覚刺激はインプットされているが、被験者がこれを否定して意識の外に置くものと結論されている。
    • 治療適用
      • 視野狭窄を暗示して余計な刺激をブロックし、重要なことに集中させるは、アスリートやあがり症に有効である。禁煙のときは快刺激としての煙草の匂いが感じなくなるという陰性幻覚暗示を与える。

症状除去法と自我強化法

症状除去法(symptom removal)

19世紀に唯一の心理療法として頻繁に実施されてきた技法である。目標とする症状が身体因であり、それに情緒反応が伴う場合に最も効果的である。症状を置き換え、元の症状を除去した後、置き換え症状も除去するといった方法が有効であるが、その後さまざまな修正、例えば、症状の除去ではなく軽減、症状の移動、代替症状などが加えられ今日でも多く実施されている。
次の自我強化法との併用が、より効果的である。

 

自我強化法(Ego-Strengthening Method)

クライエントの自信、全般的対処能力の向上を図り、不安や心配を最小限に抑える技法。ハートランドは、患者の防衛機制として症状を必要とすればするほど、いかなる心理療法にも抵抗を示すが、不安や緊張を除き、自信を強め、疾患に対処できる能力を高めれば、症状除去法でもその弊害を取り除くことができるとした。彼は、繰り返し、強調、間を置くことなどが重要だとしている。高石は、「肯定的な感情の強調」、「イメージの強調」、「中心自我への言及」などを、治療者の意識的指示から、投影的、誘発的な技法に移行しながら教示していくという。

  1. 人生肯定的暗示:クライエントの示すポジティブな特徴を指摘した後、過去の陰性感情の否定を強調
  2. イメージの強調:平穏の場のイメージが治療的に重要
  3. 自己評価向上暗示:低い自己評価を持つクライエントに適用
  4. 内なる助言者に言及する