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認知症のケア

認知症の治療の基本

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認知症のケア

認知症の人が体験しているこころの世界を理解することが基本

  • 認知症の初期に記憶障害が出現して、「思い出そうと思っても思い出せない」、「自分が何をしていたのかがわからなくなる」ので、不安と混乱でいっぱいになります。
    ⇒そこで家族に、「もう何回同じことを言うの」、「さっき言ったでしょ」、「いいかんげにしてよ!」などと言われると、自分でも余計わけがわからなくなって、不安と混乱が増強して、落ち着かなくなってしまいます。
    認知症ということがわからないときに、家族がご本人を混乱に陥れる最も多い対応のパターンです。
  • 家事や仕事もミスをしたり、思うようにできなくなり、何とかしようと思いますが、結局うまくできず、失敗を繰り返し、周りからも注意されたり叱責を受けますので、自信がなくなり、孤立感やあきらめの気持ちになり、自尊心が失われてしまします
  • 現実の世界についていけず、周囲とのずれ、戸惑い、焦り、苛立ちが出現しますし、自分自身が壊れていくような感じがして強い恐怖感のなかで右往左往するようになります。
  • 認知症になっても、懸命に自分らしさくありたいと願っている姿がそこにあります。
    このような不安・恐怖感の中にいることを理解して、少しでも不安を和らげて、安心感を与えることが求められます。

 

ケアの実際

接し方

  • 自尊心を傷つけない
    • 間違った行動に対して、叱ったり、訂正したり、説得や強制的な指導は無意味、奇異な目や突き放した態度をとらない
  • 情報の伝え方
    • 近くで納得のいくように、やわらかく、楽しい雰囲気で話す
    • 簡潔にわかりやすい言葉を使う
    • 本人の話にあわせ、感情に働きかける
  • 現実の強化
    • 折にふれて、名前、日時、場所などを含めて現実を知らせる
  • 昔話を聴く
    • 最も輝かしかった頃に視点
    • 得意な話、喜ぶエピソードを集めてケアに活かしていく

 

環境を整える

  • いつでもどこでも、なじみの環境づくり
    • 慣れ親しんできた場所やもの、配置を大切に
    • なじみの関わり方(話し方、接し方など)を続ける
  • 「作られた障害」を防ぐ
    • 不安と心身のストレス、何もすることのない暮らしが続くと、混乱が強まり、問題行動に発展→さりげないお膳立てと助け舟
    • 知らない場所への移動には注意が必要
  • 古い記憶・刻まれている記憶を活かして生きていく
    • 過去は本人が生きていくための宝の山
    • 新しいことはゆっくりと、繰り返す
  • 自然や地域との交わり
    • 日常的に、自然光、風、緑、生き物に触れる場面を作る
    • 家族はもちろん、町の人々、子供たちとふれあう場面づくり
    • 戸外に出る機会づくり(散歩、ドライブ、買い物、好む場探し)

 

日常生活動作への援助

  • 規則正しいリズムのある生活
    • 1日のスケジュールを決め規則的な生活への援助
    • 寝込ませない・閉じこもらせない→廃用性症候群の防止が重要
  • 食事の支援
    • 食の楽しみや豊かさを大切に、できるかぎり経口摂取
    • 低栄養と脱水に注意→1日1,500Kcalと1,500mlが目安
    • 口腔内の清潔を保つ→誤嚥性肺炎の防止
  • 排泄の援助
    • 失敗に大騒ぎしない、恥をかかせないような配慮
    • さりげないトイレ誘導、便秘に注意→朝食後の座位排便を心がける
    • 失禁があるからとすぐにおむつを用いない
    • 環境や個々の老人にあわせて、1つの行動がとれるよう支持的にかかわる

 

BPSDやせん妄への対応

  • 徘徊
    • 時間を決めて一緒に散歩する機会をつくる
    • 他のことに関心を向けるように働きかける
    • 連絡先を書いた名札を付ける、GPS携帯を持たせておく
    • 普段行く方向や立ち寄るところを把握しておく
    • 地域のSOSネットを活用(自治体、保健所)
  • 妄想
    • 物とられ妄想、嫉妬妄想、見捨てられ妄想など
    • 直接介護をしている身近な人に疑いをかけることが多い
    • 頭ごなしに否定せず、冷静に対応
    • 物とられ妄想の時は、一緒に捜してあげる
    • 代替え品などを用意して、探しても見つからないときに備える
  • 拒否
    • 食事、入浴、介護などの声がけや誘導に抵抗を示す
    • 無理強いしない、落ち着いたところで再び声をかける
    • 要求に耳を傾け、本人の満足感を満たせるよう支える
    • 本人の好みなことに誘い、自然の流れの中で誘導する
  • 不潔行為
    • 便、ゴミなど、対象となるものを早めに片付け、目に触れないようにする
    • 本人がどんな場面で何をしようとしているのか、背景や意味を探る
    • 行動パターンを知り、早めに見つけて対処する
    • 不快な動きにくさを取り除くことを徹底する
  • 攻撃的行為
    • 意志を適切に表現できない不快な表現の一つ
    • 介護者側の対応に問題がないか、接し方を見直す
    • 無理に押さえ込まず、気分を他のものへ転換させるようなかかわり方も必要
  • 性的な問題
    • 性的な欲求があることの方が自然なことで元気がある証拠と考える
  • 夜間せん妄
    • 身体状態のチェック
    • 不安、恐怖、困惑を感じているサインを早めに察知して1人にしない
    • 短時間でも、しっかり、ゆったり、そばにいる
    • 触れて安心してもらう
    • 刺激的な音や光は避け、静かな環境におく
    • 日中の働きかけを多くしてみる