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成人期ADHDの理解と対応

成人期ADHDの理解と対応

 

ADHDは小児期から成人期まで同一の神経生物学的基盤を持つと考えられます。ドパミン神経系やノルアドレナリン神経系の調節を受ける前頭前野報酬系、小脳等の脳部位の関与が指摘されています。

 

周囲の理解と援助

  1. 家族や職場の人達、パートナーに対して
    ADHDの当事者は、これまで養育してくれた親に対して強い否定的な感情を抱いている場合が多く、怒りや恨みを口にすることも少なくなくありません。その背景には、それまでの生活の中で衝突してきた歴史があるわけですが、その関係性もADHDの存在を知らずにいたことから生じているわけですので、ADHDの存在を知ることで、時間がかかるかもしれませんが、不可抗力的なことだったということをお互いに理解することで、関係性を改善させることも必要になります。
  2. 職場の人達に対しては、ADHDによる問題行動が起こらないような工夫を考えてもらう必要があります。例えば、環境的に気が散りそうなものを隠したり、仕事内容をまとめて説明するのではなく、一つひとつ順を追って説明してもらうことも必要です。また単調すぎる仕事にしない工夫や、指示もわかりやすく、リストアップしたメモを作成してもらうことも良いかもしれません。
  3. パートナーに対しては、伝え方も重要ですが、それまでの経験による問題点や対応の仕方、あるいは一緒にいて起こる生活上の問題を、ADHDの存在を共有して話し合い理解しあうことが必要になります。

 

薬物療法

  1. アトモキセチン(ストラテラ

ノルアドレナリン再取込み阻害薬で乱用性がなく、ADHDの治療薬としては、第一選択となる薬剤です。

  1. メチルフェニデート(徐放性剤コンサータ

精神刺激薬で、主にドパミンノルアドレナリンの再取込みを抑え、脳内での働きを増強して効果を発揮します。覚醒度を上げることから日中の眠気がある方により有用です。ただし乱用依存の問題があり、処方量を遵守することが求められます。

 

認知行動療法(CBT)と機能分析

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CBTは「個人の行動と認知の問題に焦点を当て、そこに含まれる行動上の問題、認知(考え方やイメージ)の問、感情や情緒の問題、身体の問題、そして動機づけの問題を合理的に解決するために計画された構造化された治療法であり、自己理解に基づく問題解決と、セルフ・コントロールに向けた教授学習である」と定義されます。

また、機能分析は「個人のさまざまな問題や症状を理解するにあたって、単に問題や症状そのものだけではなく、それらを引きおこしたきっかけが何であるかを考え(先行条件)どのような変化が生まれ(問題や症状:反応)、そしてそうした問題や症状が生じた結果、個人がどのような結果を手に入れているか(結果)という3者の関連性を明らかにすること」です。

 

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(樋口輝彦,齊藤万比古:成人期ADHD診療ガイドブック.じほう,2013. 参照)