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臨床催眠の適応疾患:身体疾患

臨床催眠の適応疾患:身体疾患

 

がん

  • がんの催眠療法は1970年代から見られ、がんによる疼痛不安、うつなど二次的な症状に対するものが多い。
  • NIHの基金を得てスタンフォード大学で行われた86名のがん患者についての10年間の追跡調査では、自己催眠と、サポートと共感サポートグループ療法を受けたクライエントは、疼痛が半減し、統制群に比して1年半の延命効果が認められた(Kogan, Biswas & Spiegel, 1997; Spiegel, 1997; Spiegel & Bloom, 1983)。
  • 上記に対する追跡調査により、グループ療法には延命効果はなかったものの、生活の質(QOL)の安定は確認された(Classen et al., 2008; Spiegel et al, 2007; Liossi & White, 2001)。
  • Rosenberg(1882-83)は、催眠下で視覚イメージを与え、がんそのものとがん治療副作用のコントロールを行っている。
  • 最近のがんに対する催眠研究の動向は、がんの手術や放射線療法、抗がん剤に対する副作用のコントロールに焦点を合わせたものである。Montgomeryら(2007, 2010)乳がん手術に先立ち200名を無作為に催眠グループと統制群の共感サポートグループに振り分け、それぞれ15分間の催眠暗示または共感サポートを受けた結果、催眠グループは共感サポートグループに比べて、麻酔剤量、疼痛レベル、不快感、疲労、情緒不安定感が有意に好反応を示していた。さらに手術の所要時間も短くなり治療経費の節約にも繋がった。

 

重症疾患・火傷・外傷

  • CrasilneckとHall(1985)は、火傷、交通事故外傷、手術後遺症、喘息などで激しい疼痛や全身衰弱に陥り、昏迷などの症状精神病が出現したときに、催眠直接暗示によって疼痛緩和、食欲回復、生命力回復という心理的アプローチで救命に成功し、その後の壊死部の清拭手術や歩行訓練などのリハビリにも臨床催眠で援助ができたことを報告。
  • 重症の火傷では、2時間以内に「涼しくて心地よい」という催眠暗示により、炎症反応が抑制され、うつ気分の回復、吐き気や食欲不振の緩和し回復を早めるという。
  • 20%以下の火傷で効果は顕著であるが、より広範な火傷でも初期の催眠によって浮腫を抑制し、慢性の痛みより急性の痛みに催眠暗示がよく反応することが認められている。
  • 事故による外傷者に対しては、実際の外傷の程度を正確に伝え、外傷者自身が自分が理解されていると感じ、ラポールが形成された後に、疼痛がなくなり、保護されるという暗示を与えることが望ましい。