therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

ジャネの心理的緊張学説と段階的構成論

ジャネの心理的緊張と精神衰弱症 ジャネの業績の核心をなすものは心理的緊張(la tension psychologique)の学説である。 「ジャネの理論を理解する上に常に必要な概念は、精神の総合の能力という考えであろう・・・・それはすべての心的機能を統一し、より高次…

ジャネのヒステリー論

ジャネのヒステリー論 彼もシャルコーの門下生であって、その師の大きな影響の下に暗示や催眠術の研究を行なった。彼はヒステリーの心理的緊張の、心理学的、病理学的理論を打ち立て、それによって多くの精神状態を説明しようと試みたし、また精神衰弱症の概…

ババンスキーの説得可治症

ババンスキーの説得可治症 ジョゼフ・ジュール・フランソワ・フェリックス・ババンスキー(Joseph Jules François Félix Babinski, 1857 – 1932) ババンスキーは長くシャルコーの下にあったから、その業績には神経病学的のものが多く、この方面で彼は不朽の…

ジャネとフロイトの催眠

ジャネとフロイトの催眠 ピエール・ジャネ ピエール・ジャネの人と生涯 - therapilasisのブログ シャルコーやベルネームにも師事し、非常に活動的な催眠療法家になり、催眠を解離現象ととらえ、ヒステリーとの類似性を指摘した。催眠状態のみで食事のできる…

サルペトリエール学派とナンシー学派の催眠

サルペトリエール学派とナンシー学派の催眠 サルペトリエール学派の催眠シャルコーが率いるサルペトリエール学派の催眠法は、「大量刺激法」と呼ばれる過度の刺激を患者に与え、そのショックで催眠状態に誘導しようとするものである。例えば、中国のドラやア…

シャルコーのヒステリー研究と催眠

シャルコーのヒステリー研究と催眠 ジャン-マルタン・シャルコー (Jean-Martin Charcot、1825 – 1893) シャルコーは、多くの脊髄や脳の疾患の発見や記載によって不朽の業績を遺した近世神経学の始祖であるが、一方で、彼はそのヒステリー研究において、当…

ヒプノティズムの誕生③

ヒプノティズムの誕生③ ジェイムズ・ブレイド(James Braid、1795 - 1860) ブレイドはスコットランド人で、1815年エディンバラ大学で外科医の資格を取り、イギリスロイヤルカレッジのメンバーにもなっている。 1841年、ブレイドはマンチェスターで、フラン…