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脳卒中後うつ病に対する総合的医療が必要

脳血管障害とうつ病の相互関係性

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  • 脳血管障害とうつ病の両者に共通した規定因子として「心理社会的ストレス」があります。脳血管障害でうつ病にもなりますが、うつ病になると、血小板凝集能の亢進、ω3系脂肪酸の減少、BDNFの減少、コルチゾールやサイトカインの増加などが起こり、脳・心血管イベントが促進され、再梗塞や心循環器系の疾患で死亡率が増加することも頷けます。したがって、脳血管障害の予防、治療、管理とともに、うつ病の予防、治療も非常に重要になります。

脳卒中うつ病を見逃さないために必要なこと!

  • 脳卒中後の落ち込みは、当然な反応で、仕方ないことだと考えず、急性期でも慢性期でも脳卒中うつ病が出現するということを常に念頭に置きましょう。
    • 「命だけでも助かって良かったと思って、頑張るしかないよ」といった精神論だけではダメ!
  • 食欲不振、易疲労感、不眠といった症状は、脳卒中そのものの症状としても現れますが、持続したり、悪化するようなことがあれば、やはり脳卒中うつ病を疑いましょう。
  • 表情や態度をよく観察して、元気がないと感じたら、本人の置かれた状況を共感したうえで、うつ症状を確認しましょう。
    • 弱音を吐けず表面的には無理して元気に振る舞うことありますので、家族や周りの人からも情報を得ましょう。
  • リハビリが進まない状況や悲観的な言動には注意しましょう。

 

脳卒中うつ病に対する総合的医療の必要性

  • 我が国の脳卒中患者は年間約30万人が発症し、有病者数は300万人を超え、介護が必要な身体障害の原因の第1位で、国民病ともいわれています。
  • 脳卒中患者さんの少なくとも3割がPSDに罹患し、認知機能、運動機能ばかりでなく、生存率まで悪化します。治療によって認知機能、運動機能だけでなく生存率まで改善することが示されていますので、やはりPSDを見逃さず適切な治療が必要なのだと思います!
  • 脳卒中患者さんやそのご家族の生活の質(QOL)の向上を考えた場合、脳卒中うつ病の対策は急務だと思います。
  • 脳神経外科神経内科、リハビリ科などの身体科医と精神科医との連携
  • 疾患教育と家族への心理的ケア
    • 患者さん、ご家族、医療スタッフが疾病理解とともに情報を共有し、適切な援助を提供する必要があります。
  • 医療連携パスなどを用いた地域ネットワークの構築

 

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  • 千葉県では、2014年4月より、医療連携パスのリハシートの中に脳卒中うつ病の評価項目(運用手引きではPHQ-9での評価を推奨)が組み込まれ運用が開始されています。本来であれば、図に示したように脳卒中患者のどのステージにおいてもうつ病評価が必要であり、今後の課題です。このような取り組みが全国的に展開されることが望まれます。