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ASDの病態仮説と治療

環境・遺伝要因

  • 両親の高年齢低出生体重、またはバルプロ酸への胎児曝露などが関与しているかもしれない。
  • 複数の遺伝子が関与した多因子遺伝仮説

 

病態仮説

  • 前頭葉機能障害仮説
    • 多様な社会場面での実行機能不全があるという仮説

  • 心の理論障害仮説
    • 心の理論とは、他者の心の動きを類推し他者が自分とは違う信念をもっているということを理解する機能ですが、定型児は3-4歳で獲得するのに、自閉症児では9-10歳を超えないと獲得できず、定型児とは異なった脳の部位で課題処理を行っているという仮説。

  • 扁桃体辺縁系障害仮説
    • 他者と同一のものに注意や関心を向ける共同注意の機能に関与している扁桃体辺縁系が障害されているという仮説

  • 小脳機能異常仮説
    • 注意、覚醒、知覚反応に関与している小脳の機能異常があるという仮説

 

治療方針

  • ASD固有の中核症状に対する療育やリハビリテーション
  • 生活場面の時間的・空間的構造化
  • 早期からみられる多動、不注意、パニック、かんしゃく、興奮、情緒不安定、易怒性、攻撃性、自傷、常同行為、感覚過敏などに対する対症療法
  • 学童期以降に併存症として出現する気分障害統合失調症様障害などの治療

 

幼児期・児童期

  • 療育
    • 発達段階に応じた個別あるいは小集団療育
    • 親をサポートする心理教育プログラム
      • 育児の失敗ではないこと
      • 本人の特性を理解したサポートで社会適応性が向上
    • 小集団での対人技能訓練や認知行動療法
  • 環境調整
    • 注意をそらす不要な刺激を抑え、視覚的手がかり(絵や図、箇条書きメモなど)を与える構造化
    • 構造化は療育場面だけでなく学校や家庭でも一貫することが望ましい

 

青年期・成人期

 

 

ASDへの対応

  • 思い込みが激しく、修正がきかない
    • なるべく論理的に説明
  • 癇癪がある場合
    • なだめたり、叱ったりせず、おさまるまで静観
  • こだわりが強い
    • 何にこだわっているかを理解して許容
  • 急な変更ができない
    • あらかじめ、予定や見通しを伝える
  • 行間や、その場の空気が読めない
    • 曖昧な対応をしないで、明確に要点を伝える
  • 感覚過敏
    • 大きな声で注意したりせず、冷静に話す

 

薬物療法

疾患自体を完治させるような薬剤はない。随伴症状や併存疾患に対する対症療法。

 

  • アリピプラゾール(1mg)
    • 2009年米国で「自閉性障害に伴う易刺激性」の承認
    • 2015年日本でも小児期のASDに伴う易刺激性の適応追加承認
  • 以下はASDに対する適応はないが、有効性の報告がある。