therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

新規抗うつ薬(SSRI・SNRI・NaSSA)の特徴

各SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)の特徴 フルボキサミン(デプロメール®・ルボックス® ) 1999年に本邦ではじめて承認されたSSRI 適応疾患:うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害 本剤は肝薬物代謝酵素のうちCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19の阻害…

うつ病の治療

うつ病治療の三本柱 生物学的(内因性)要因が強いときや中等症以上のときは、薬物療法をしっかりする。性格的要因が強いときや軽症のときは、精神療法・カウンセリングを重視する。環境要因が強ければ、環境調整が必要になる。繰り返したり、慢性化している…

それぞれ(年代別)のうつの特徴

子供・学生のうつ 自分の気分の状態を認識(表現)できずに、頭痛、腹痛、怠さなどの身体症状の訴えが中心になることが多い。 朝起きられずに不登校や閉じこもりに発展することがある。 親に叱責されて、泣き出したり、イライラが強くなって反抗的、易怒的に…

操作的診断基準の登場

従来診断の問題点 内因性や心因性といった病因論的な診断は、病気の理解や治療を考慮する上ではとても重要でしたが、一方で内因性でも心因となるような状況因があることから反応性との境界があいまいになり、両者の鑑別は必ずしも容易ではなく、個々の精神科…

うつ病に対する従来診断の進め方

従来のうつ病診断はどのように行われてきたのでしょうか? 外因性(身体因性)のチェック ・まずは、うつ状態を呈するような身体の病気や、服用している薬物の影響をチェックします。・身体の病気がみつかれば、その治療を行うことが必要ですが、うつ状態が…

うつ病概念の変遷-2

クレッペリンの内因性精神病概念の確立後、様々な角度からうつ病の類型化や病因論などが検討され、内因性対心因性、精神病性対神経症性といった二分法的な議論も活発に展開されました。また英米圏では、神経症性うつ病は精神病性うつ病と対置され精神病レベ…

うつ病概念の変遷

うつ病は、いつの時代から認識されていたのでしょうか? 古代~中世 古代ギリシャ時代に、ヒポクラテス(BC460~BC375)は、人間は「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」という4種類の体液の調和で健康が維持され、そのバランスが崩れると病気になるという体液説を…