therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

認知症診断の実際

認知症診断の流れ 問診と診察 いつごろからどんな症状がみられて、どんなことで困っているかなど 今までにかかった病気やけが、飲んでいるお薬について 運動まひ、手足のしびれ、言語障害などの有無、飲酒歴など 血液検査、全身検査で、他の疾患などがないか…

3Dの鑑別

3Dの鑑別 認知症(Dementia)、うつ病(Depression)、せん妄(Delirium)の鑑別は、非常に重要です。 認知症とうつ病(仮性認知症)については、以下で詳しく説明しましたが、うつ病の場合には抗うつ薬治療で改善しますので、その鑑別は重要ですが、必ずし…

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の鑑別

脳細胞の変性、消失により認知機能が低下するのがアルツハイマー型認知症です。 一方、脳梗塞や脳出血などの脳卒中後には、認知機能が低下する場合があり、脳血管性認知症と言われています。 認知機能が低下する点は共通ですが、成因や症状などは異なります…

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

長谷川和夫先生(認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授)が作成されたHDS-Rは、最も汎用されている認知症の評価スケールです。 作成者の長谷川先生(89歳)が自ら認知症になったことを公表して、ありのままを受け…

前頭側頭型認知症

認知症にはアルツハイマー病を中心とする変性性認知症と血管性認知症があります。アルツハイマー病とレビー小体型認知症について記載しましたが、もう一つ重要な変性性認知症が前頭側頭型認知症です。 前頭側頭型認知症(Front-temporal Dementia: FTD) 昔…

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies: DLB) コマーシャルでも有名な小阪健司先生(現横浜市立大学名誉教授)が発見。小坂先生は認知症の20%がDLBだと主張しており、ADに次いで多い認知症です。小坂先生はとっても気さくな先生で、私の恩師の故…

アルツハイマー病の診断

アルツハイマー病(AD)の診断基準 NINCDS-ADRDA(1984)アメリカの国立神経障害・脳卒中研究所(NINDS)とアルツハイマー病・関連障害協会(ADRDA)の合同作成 (DSM−Ⅳとの相違点) 認知症を神経心理テストで確認 発症が40~90歳 診断を支持する所見:CTで…