therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

アルツハイマー病の経過と症状

アルツハイマー病の経過と症状変化 認知症の中核症状とBPSD 中核症状(記憶障害、認知障害、人格変化) 程度の差はあれすべての患者さんにみられます。 疾患の進行とともに悪化します。 神経細胞の脱落にともなう能力の喪失です。 BPSD(精神症状・行動障害…

軽度認知障害とは?

軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI) 自覚的なもの忘れ(記憶障害)の訴えと家族によるその確認 年齢に比し記憶力が低下→絶対的低下ではなく個人の以前の状態に比べて低下がみられる状態 記憶以外の全般的な認知機能はおおむね正常 運転や家計な…

認知症の気づきのポイント

認知症とは? 簡単に定義としては、 いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害(記憶能力、思考判断力、言語機能などの障害)があるために、社会生活に支障をきたすようになった状態 老化と認知症のもの忘れの違い 人の名前が思い出…

2025年認知症が700万人!

わが国における認知症の疫学調査 全国10市町における65歳以上の住民計約9000人を対象におこなわれた厚生労働省研究班の大規模研究(H23-24年度)によれば、2012年時点の65歳以上の認知症の有病率は15%であり、全国の認知症高齢者数は約462万人と推計されま…

うつ病に対する運動療法

うつ病に対する運動療法 うつ病の治療は休養が重要ですが、軽度から中等度のうつ病では、ある程度の有酸素運動が、症状の改善や再発の防止に効果的であるという報告が相次いで出されています。 うつ病に対する運動療法の有効性(Northら, 1990) 最大強度80…

精神科身体療法の歴史

1950年代以降精神科治療は薬物療法が中心になっていますが、それ以前はさまざまな身体療法が試みられてきた歴史があります。 発熱療法(マラリア療法) Wagner von Jauregg J., 1917, オーストラリア(ノーベル賞受賞) 神経梅毒の治療法として広く用いられ…

高齢者うつ病の治療

高齢者うつ病の薬物療法 高齢者や身体合併症がある場合には、副作用が出現しやすいため、どの薬剤も低用量から開始し(通常の初期用量の半量からでも良い)、増量も副作用に注意して緩徐に行う必要があります。 効果が不十分なときは、忍容性が許す限り、十…