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脳卒中後うつ病と身体機能障害

脳卒中うつ病と身体機能障害

 

  • 脳卒中うつ病と身体機能障害との関連について、うつ病の重症度はADL(日常生活動作)の障害と有意な相関があることが一貫して示されています。
  • 脳卒中うつ病とADLの回復の関係については、一致した見解は示されていませんが、大多数の研究報告で、脳卒中後のはじめの数ヶ月のうつ病の存在が、1~2年後のADLの回復を障害するという結論は支持されています。
  • 抗うつ薬による脳卒中うつ病の治療とADLの回復について、抗うつ薬プラセボによる二重盲検試験では、抗うつ薬治療を受けた患者のADLの回復が、プラセボを服用した患者よりも有意に改善したという結果は、大半の研究で示されていません。
  • しかし、実薬とプラセボの比較ではなく、うつ病が改善した患者と改善しなかった患者との比較では、うつ病が改善した患者で有意なADLの改善が示されています

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    (Chemerinski E, Robinson RG, Kosier JT: Improved recovery in activities of daily living associated with remission of poststroke depression. Stroke. 2001; 32(1): 113-7.)

  • また、脳卒中後1ヶ月以内に抗うつ薬治療(ノルトリプチリンとフルオキセチン)を受けた脳卒中後のうつ病と非うつ病の患者が、脳卒中後1ヶ月以降に抗うつ薬治療を受けた患者よりも2年間にわたってADLが有意に改善していることが示されています。
    (Narushima K, Chan KL, Kosier JT, et al: Does cognitive recovery after treatment of poststroke depression last? A 2-year follow-up of cognitive function associated with poststroke depression. Am J Psychiatry. 2003; 160(6): 1157-62.)
  • これらの知見は、脳卒中後の患者の回復が抗うつ薬治療によって有益であり最適な治療効果を得るためには脳卒中後1ヶ月以内に治療を受けるべきであることを示唆していますが、追試が必要です。