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エリクソン催眠の方略的アプローチ

ミルトン・H・エリクソンの方略的アプローチ

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ミルトン・エリクソン(Milton H. Erickson, 1901- 1980)

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エリクソンは1930年頃から斬新なパラダイムと技法を催眠に取り入れ、現代催眠を心理療法のメインストリームに合流させた。

彼は、催眠者にも被催眠者にも偏った重点を置かず、相互に関与し合う両者の関係の重要性を強調し、被催眠者のもつ特徴も誘導と治療の出発点であるとした。また、意識の関与を通り抜けるさまざまな間接暗示により、誘導や治療成績を飛躍的に向上させ、臨床催眠の革新的な進歩と他の心理療法全般に大きな影響を与えた。

日本では「エリクソニアン=ブリーフセラピー」という神話もあり、確かに、彼がブリーフセラピーにも卓越して「方略的指示療法」と呼ばれる多くのテクニックを開発したのは事実である。しかし、彼が実践したのは、あくまでもヒプノセラピーである。

現在のブリーフセラピーは、エリクソンの特定の技法を選び出して、催眠を用いない状況で恣意的に応用するものが目立ち、催眠の年齢進行から派生したミラクル・クエスチョンなどはその典型である。彼は、催眠を用いない場合でも、常に意識の多様性に注目を怠らず、患者個人に合わせた催眠的な治療を行ったのである。

 

エリクソン催眠の原則

  1. 利用理論(utilization theory)
    自然技法とも呼ばれ、被験者の内在要素(記憶、性格、身体特徴など)と環境要素(家族、職業、居住地など)を暗示に取り入れた催眠誘導と治療の方法論。彼は、紋切り型のワンパターン化された暗示を拒絶し、患者一人ひとりの個性を尊重し、それぞれに合わせたオリジナルな催眠を実践した。
  1. 気そらし(distraction)
    クライエントの注意の矛先を変えることによって問題解決を図る。
  1. 分割(partitioning)
    意識―無意識の分割、感覚の細分化、記憶の想起と健忘といったテクニックに活用 
  1. 進展(progression 
    小さなステップから大きなステップへと進む原則で、催眠誘導における深化法や1%から始めて徐々に数字を増やして疼痛緩和を図る減少効果法など
  1. 暗示(suggestion) 
    直接・間接暗示、許容暗示、散りばめ法、繰り返し、混乱法など 
  1. 再志向(reorientation) 
    フレーミングや外在化、時間の疑似オリエンテーション(年齢進行)