therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

治療抵抗性うつ病と関連する因子

治療抵抗性うつ病(treatment resistant depression)の定義 一般的には、作用機序の異なる2種類以上の抗うつ薬を十分量、十分期間用いたにもかかわらず、十分に改善しない大うつ病性障害 Thase & Rushの分類のステージⅡに相当 治療抵抗性うつ病と関連する…

治療抵抗性うつ病とその治療選択肢

治療抵抗性うつ病のステージ・モデル(Thase & Rush) 治療抵抗性うつ病と言っても、どの程度の治療抵抗性なのかを理解する上で、Thase & Rushのステージ・モデルは最初の取り組みです。注意しなければならないのは、適切な抗うつ薬治療として、抗うつ薬を十…

うつ病と適応障害、新型うつ病って?

4月の新年度が始まり、期待に胸を膨らます人も多いわけですが、一方で新しい環境のなかで、緊張と不安も大きく、こころの変調をきたす人も少なくありません。 新しい環境という明らかなストレスで、不安感や憂うつ気分が一時的に出現して、社会生活や仕事、…

うつ病の3人に1人は薬が効かない?

STAR*D試験の結果 STAR*D(Sequenced Treatment Alternatives to Relieve Depression)試験は、米国国立精神衛生研究所(NIMH)が主導し、初期治療に反応しなかったうつ病患者に対して、どのような治療が有効であるかを検討した大規模臨床試験で、2006年より…

うつ病の後遺症と就労者の社会復帰

こころの病気による労災補償件数の推移(厚労省資料) こころの病気による労災補償件数は年々増加しており、最近でも過労自殺の問題が大きくクローズアップされました。 ただ医療の現場も含めて、一律に時間だけを規制することが良いのか疑問が残ります。個…

うつ病の経過と予後

うつ病の持続期間 うつ病は治療をしなくても、一般的には6~13ヶ月間で症状が改善することもありますが、治療をしないでそのままにしておくと重症化して、希死念慮から自殺行動につながる危険性が増えてしまいます。 適切な十分な治療を受けると多くは約3ヶ…

抗うつ薬の副作用

昔の三環系抗うつ薬に比べて、最近の薬は副作用が弱くはなっていますが、全くないわけではありません。 初期 嘔気、胃部不快、下痢、眠気、だるさ、口渇、ふらつき 不眠、不安、いらいら感、希死念慮、衝動性(特に24歳以下) 持続・維持期 体重増加、性機能…