therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

心理退行理論

心理退行理論 フロイトは催眠を放棄したものの彼の弟子の中には催眠精神分析(hypnoanalysis)の発展に尽くした人達もいる。それは催眠理論の中では心理退行理論(psychological regression theory)と呼ばれている。 Merton Gill(1914-1994) Margaret Bre…

ヒルガードの新解離理論

ヒルガードの新解離理論 アーネスト・ヒルガード(Ernest Hilgard, 1904 – 2001) 催眠による非意図的反応として、暗示によって腕が「勝手に」浮揚したり、眼瞼が「自然と」閉じたりするが、ヒルガードは心的解離によって生じると主張し、新解離理論を提唱し…

ハラスメントの種類

2017 年1月1日、男女雇用機会均等法 と育児・介護休業法の法改正により、新たにマタハラの防止措置が事業主の職務となり、セクハラやパワハ ラと並んでマタハラについても適切な対応を職場で図ることが求められています。 ハラスメントの種類 アカデミック・…

自己愛性神経症

自己愛性神経症 フロイトは「リビドー理論と自己愛」で、彼の分析理論を早発性痴呆やパラノイアやメランコリーにまで及ばし、それらの発生を、リビドーの対象が自己に固着して自己愛となった結果として説明しようと試みる。従ってこれらの疾患を、彼は自己愛…

不安の問題

不安の問題 次の章「不安」は、フロイトの神経症論、ことに恐怖症にとって重要な問題である。 「不安の問題が、あらゆる最も重要な問題の集中する交差点であることは確かです。そしてこの問題は、それを解決すれば、私どもの心的生活全体の上に豊かな光が降…

自我欲動の役割

自我欲動の役割 この辺から話は性欲動に対する自我欲動の重要さの説明に入る。 「・・・・ところでリビドーの欲求に対して抗議する勢力、すなわち病因となる葛藤における相手方の一方は何でしょうか。ごく一般的に言えば、それは性的でない欲動の諸力です。私ど…

神経症構造論の中核

神経症構造論の中核 フロイトの神経症構造論は、これから後の数章の中にその核心があるように思われる。ことに最初の「発達と退行の観点、病因論」がそうである。 「リビドーの発達にあたっては、一般病理学の学説と全く同じように、二つの危険を伴うことを…