therapilasisのブログ

北総メンタルクリニック 院長の情報発信

REM睡眠行動障害

REM睡眠行動障害(REM Sleep Behavior Disorder:RBD) レム睡眠中に起こる夢体験に一致した夜間異常行動で、寝室周りの物を壊わしたり、ベッドパートナーに外傷を負わせることもあります。 刺激による覚醒は速やかで、夢の再生は可能です。 有病率は0.38~0.…

周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害(Periodic Limb Movement Disorder :PLMD) 入眠中の不随意運動(つま先や足首がピクピク、ひざ蹴り様動作、ひじの曲げ伸ばしなど)と日中の眠気 以前は夜間ミオクローヌスと呼ばれていました。 浅いノンレム睡眠の時に多く、深いノンレ…

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:RLS) 主に下肢に不快な症状(むずむず感、ほてり、むずがゆい、何かが這うような感覚など)を感じて、寝付けなかったり、熟眠感が得られなくなる病気です。 女性が男性の5倍、加齢とともに有病率が増加…

睡眠時無呼吸症候群

中高年で増加する睡眠障害について、いくつか説明したいと思います。 まずは、夜間無呼吸になって、熟眠が得られず、日中眠気が出てしまう睡眠時無呼吸症候群についてです。 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) 10秒以上の無呼吸が一晩(7時間…

新しい睡眠薬、ロゼレムとベルソムラ

ラメルテオン(ロゼレムⓇ) メラトニン受容体アゴニストで、視交叉上核に存在するメラトニンMT1/MT2受容体に作用します。 MT1: 視交叉上核神経活動の抑制や睡眠促進の効果があり、結果的に睡眠の質を改善し深くします。 MT2: 位相変動作用を持ち、後方にずれ…

現在の主要な睡眠薬

理想の睡眠薬 入眠困難に効果がある 睡眠維持困難に効果がある 翌日への持ち越し効果がない 耐性、依存性、離脱症状がない 日中の機能を改善する 数多くの睡眠薬がありますが、不眠症患者さんのニーズは十分に満たされていません。 不眠症治療の歴史 ベンゾ…

向精神薬の処方適正化

向精神薬多剤投与に対する処方の適正化 向精神薬については、いままで何種類もの同様な薬剤の多剤投与が問題とされてきました。本来、処方権は医師にあるわけですが、なかなか改善がされないということで、厚労省は保険請求の算定料を引き下げるという形で、…