therapilasisのブログ

オンラインカウンセリングのセラピラシス が提供する情報発信

脳卒中後うつ病

脳卒中後うつ病と地域医療連携

脳卒中後うつ病の現状 わが国において脳卒中は、年間約30万人が発症し、有病者数は300万人を超えていることが推測され、介護が必要な身体障害の原因の第1位であり、国民病とも言われています。 脳卒中後うつ病は、脳卒中患者さんの約3割に発症し、認知機能…

脳卒中後うつ病と社会的機能

脳卒中後うつ病と社会的機能 脳卒中のような急性の身体疾患においては、家族や友人を含めた周囲の人々からの社会的支援がない場合、支援がある場合に比べてうつ病の発症率は高くなる可能性があります。 Robinsonらは、社会的機能検査(social functioning ex…

脳卒中後うつ病と失語症

脳卒中後うつ病と失語症 多くの研究者が脳卒中後うつ病研究において、うつ状態の評価が困難との理由から失語症患者を除外して検討しているにもかかわらず、失語症が脳卒中後うつ病の原因だという仮説が議論されています。 Gainoiiは、生活環境のなかで、言語…

脳卒中後うつ病と認知機能障害

脳卒中後うつ病と認知機能障害の関連 ~Robinsonグループの検討を中心に~ 大うつ病と認知機能障害(MMSE得点による)との関連 脳卒中の急性期患者276例の検討で、大うつ病は小うつ病や非うつ病に比較して有意に認知機能が障害されていたと報告されています…

脳卒中後うつ病と身体機能障害

脳卒中後うつ病と身体機能障害 脳卒中後うつ病と身体機能障害との関連について、うつ病の重症度はADL(日常生活動作)の障害と有意な相関があることが一貫して示されています。 脳卒中後うつ病とADLの回復の関係については、一致した見解は示されていません…

脳卒中後うつ病と優位半球との関連

脳卒中後うつ病と優位半球との関連 左側に運動優位性を持つ患者(左利きで、ものを見るときに左眼を使い、書くときや食べるときは左手、蹴るときは左足)では、右半球病変よりも左半球病変で、うつ病の頻度が有意に高いことが示されています。また、左半球前…

脳卒中後うつ病の病変部位

脳卒中後うつ病の病変部位 脳卒中後の2カ月の期間におけるメタ解析によるうつ病の発現頻度は、左前頭葉病変あるいは左基底核病変におけるうつ病の頻度は、右前頭葉病変あるいは左側頭-後頭病変よりも2倍以上多いという結果が示されています。同様に、脳卒中…

脳卒中後の遅発性うつ病

脳卒中後の遅発性うつ病 脳卒中後の遅発性うつ病 Robinsonらの142例の脳卒中患者による検討において 脳卒中後の急性発症(急性期の入院中の発症)の大うつ病に比べて、遅発発症(入院後3ヶ月から2年までの間に発症)の大うつ病は、発症年齢が高い傾向があり…

脳卒中後うつ病の自然経過

脳卒中後うつ病の自然経過 入院中にDSM-IV診断で大うつ病(27例)、小うつ病(36例)、非うつ病(79例)の3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月の追跡による診断結果 脳卒中後大うつ病の持続期間は、大多数の患者さんにおいて12カ月以上持続することはありません。…

脳卒中後うつ病の症候学的特徴

脳卒中後うつ病の症候学的議論 脳卒中後大うつ病(n=43)と年齢を一致させた機能性うつ病(n=43)の臨床症状の比較 LipseyらのRobinsonグループは、脳卒中後大うつ病は、機能性大うつ病と比較して、「緩慢さ」が有意に高く、「興味と集中力の低下」は有意に…

脳卒中後うつ病の有病率

脳卒中後うつ病の有病率 脳卒中後の大うつ病と小うつ病の新規症例において、大うつ病は平均約1年続き(少数例は3年以上続く)、小うつ病は数ヶ月から2年以上続き、あるいは大うつ病に発展して悪化することがあります。 Robinsonらは脳卒中後うつ病が発症する…

脳卒中後うつ病の診断

脳卒中後うつ病の診断 「ロバート・G・ロビンソン著:脳卒中における臨床精神医学-脳血管障害後の認知・行動・情動の障害-第2版(木村真人監訳)」からのエッセンスをまとめていきたいと思います。 DSM診断における大うつ病と小うつ病の診断基準 脳卒中後…

脳卒中後うつ病に対する総合的医療が必要

脳血管障害とうつ病の相互関係性 脳血管障害とうつ病の両者に共通した規定因子として「心理社会的ストレス」があります。脳血管障害でうつ病にもなりますが、うつ病になると、血小板凝集能の亢進、ω3系脂肪酸の減少、BDNFの減少、コルチゾールやサイトカイン…

脳卒中後うつ病の治療の重要性

抗うつ薬治療による認知機能の改善 脳卒中後うつ病の抗うつ薬治療試験で、うつ症状は改善するものの認知機能の改善が認められないため、脳卒中後うつ病は、認知症に伴う仮性うつ病と捉えるべきではないかという議論がありました。Robinsonらは、PSDの抗うつ…

脳卒中後うつ病の有病率と予後への影響

脳卒中後うつ病の有病率 PSD有病率(メタ解析) 急性期、慢性期を問わず、脳卒中患者の約3割がPSDに罹患します。 PSDは認知機能を悪化させる 脳卒中後の病変部位を一致させたPSDと非PSDを比較すると、PSDの方が有意に認知機能が障害されていました。 PSDは…

脳卒中後うつ病と病変部位

Robinsonの左前頭葉傷害仮説 Robinsonらは、病変部位が左前頭葉にあるとうつ病になる頻度が高く(左図)、左半球においては病変が前頭極に近いほど(前方にあるほど)重症度が高い(右図)という左前頭葉傷害仮説を提唱。 皮質および皮質下の病変によるPSDの…

脳卒中後うつ病とは?

脳卒中後うつ病(post-stroke depression: PSD) 脳卒中後にみられる器質性ないし二次性のうつ病 脳梗塞後でも脳出血後でも、うつ状態の症状や頻度には大きな差異がないため、脳梗塞後も脳出血後もあわせて脳卒中後うつ病として検討していることが多い。 脳…