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血管性うつ病の臨床的特徴と発症メカニズム

血管性うつ病の臨床症状

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機能性うつ病というのは、脳血管障害のない通常の高齢うつ病です。
つまり、高齢うつ病者は不安焦燥感が目立つタイプは、一般的な高齢者のうつ病を考える必要がありますが、精神運動抑制やアパシーという動きの少ないタイプの場合には、背景に脳血管障害がある可能性に留意して、血管障害に対する対応も必要になります。

 

血管性うつ病の発症メカニズム

PSD研究:局所病変仮説

  • 前頭前野とくに背外側前頭前野(dorsolateral prefrontal cortex: DLPFC)との関連が指摘されています。DLPFCに病変を有することで前頭前野基底核に投射する腹外側辺縁系回路が障害されてうつ病が発症するというものです。このほかにも基底核病変を責任病巣として重要視するものや、辺縁系に投射する前部帯状回との関連を重要視する見解があります。

MRI-defined VDep:閾値仮説 (threshold hypothesis)

  • 直接的な局所脳病変の関与ではなく、微細な脳血管病変が蓄積することで情動を司る神経回路が障害されて、うつ病の発症に関わる閾値が低下して発症するという仮説です。

皮質-線条体-淡蒼球-視床-皮質((cortico- striato- pallido- thalamo- cortical: CSPTC)回路の障害

  • 上記のいずれの場合においても情動を司る神経回路としてCSPTC回路が重要な役割を果たしていると想定され、以下のような障害のメカニズムが示唆されています。
  • 眼窩前頭部、背外側前頭前野、前帯状回経路の直接的な障害
  • 線条体-淡蒼球-視床-皮質経路の制御を遮断する脳幹から上行するモノアミン神経伝達経路の障害
  • 眼窩前頭経路の機能障害やセロトニン作働性の縫線核による前頭前野の調整障害を導く基底核の障害

高齢うつ病の白質高信号

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高齢うつ病の白質高信号研究の系統的レビューでは、脳室周囲あるいは深部の白質高信号が高齢うつ病高齢発症うつ病は健常高齢者に比較してオッズ比で2倍程度、高齢発症うつ病者は若年発症うつ病者と比較するとオッズ比で4倍以上高値を示しています。